自分がもし1億円で映画を作れるとなったら何をどうするか。

映画監督Tさんはその後、こう続けました。

「チャンスは突然やってくる。」(不敵な笑みを浮かべながら)

ぼくは動揺しましたが、自分の次回作の企画内容を話しました。

(詳しくは)

前回の記事

をご覧ください。

その後、別のお店に移り、ぼくとスタッフとTさんで、

それもまた地下にあるお寿司屋さんで、夜が明けるまで話をしました。

話しあった結果

予算5000万円で映画を撮る
商業映画制作は年1本ペースで作る
新たなるインディーズ映画祭を開催する

ことになったのです。

短時間の間であまりにも膨大な情報が頭に

流れ込んできたのですが、Tさんの話しは

どこを切り取っても理路整然としていました。

Tさんは映画監督業だけで生活している

というわけではないのです。

自分の夢を実現するために映画を作る。

ことと、

自分の夢を実現するためにお金を稼ぐ。

ことを混同させてはいけないとおっしゃっていました。

厳密にはTさんの場合は、お金を稼ぐ＋お金を調達して、自分の映画を作り続けているそうです。

お金を調達するとはどういうことか、

それは「投資されたければ投資する人間になれ」

というTさんの言葉から分かるように、

①投資家になりお金を稼ぐことで、投資家の気持ちが分かるようになり、

②投資したくなるような映画の企画を考え、資金を調達する。

ということでした。

Tさんは映画を愛し、面白さを追求する監督としての一面と、映画を完全にビジネスとして捉えるプロデューサーとしての一面、そして自身の作る映画を観たいと思い応援する投資家としての観客としての一面を併せ持つケルベロスのような人間だったのです

この出会いの数ヶ月前、ぼくは東京にある映画館の支配人のかたとお話しする機会がありました。

その方は「今の日本の映画業界に本物のプロデューサーはいない。」とおっしゃっていました。

ここでいう本物のプロデューサーとは、

公開した映画でしっかりと利益を生み出せる人間のことです。

まさにTさんのことでした。。

お寿司やさんでTさんが話していた計算式を

必死にメモに取り、ぼくがまとめたのが

これです。

恥ずかしながら、映画を作る上で予算を回収することは考えたことがなかった。。

目の前に並んだ寿司をいかに回収する(胃袋に収める)かしか考えていなかった。

Tさんの

「投資されたいなら投資する側の人間になれ」

この言葉で、ぼくは投資家になることを決めたのです。

映画を作り続けるためには、資金を引っ張ってこなければならない。

そのためのスポンサーだろ？と思う方はいて当然だと思いますが、

お金を出してもらえばお金を出してもらった人の

意見を聞かなければいけません。

ただ、Tさんの作る映画の場合、まず企画が先行しています。自分の理想を追求する映画監督、それをビジネスとして捉えるプロデューサー、投資する観客。Tさんの中に存在するこの3人の話し合いにより、win-win-winとなる答えを導き出すのです。

プロデューサーの出す大金に目が眩んだ雇われ監ではないのです。

どこまで行っても投資家がトップに君臨す世界。

それだったら、この出会いで得たチャンスをものにし、

自分も投資家になって自分の映画を撮る

そう決めたのです。

夢

予算と期限

計画書(事業計画書)

行動(業務)

1億円で映画を作れるとなったらどうする？

と聞かれ、その場で自分の思い描くビジョンを語ることができなければ

今の自分はいないかもしれない。

そして、

目標を設定し、予算を考え、計画を練るという行為こそが

夢を叶えるという行為だということがうっすらとわかった

そんな運命の出逢いの日でした。

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ぼくの人生を変えた映画監督Tさん。彼との出逢い②