東大小石川植物園(4)-柿紅葉・ユリノキ・桂・辛夷
 
 

 柿の葉の紅葉は綺麗である。近所の家の柿の葉も色づいて落ちたものを、毎朝掃いている風景は秋が終わり冬に変わりつつある時間を与えてくれる。
  柿紅葉山ふところを染めなせり  虚子
柿紅葉が秋の季語であり、柿落葉は冬の季語である。日本人の自然に対する感受性の繊細さを示している。柿紅葉は色が多種類であり、日当たりの加減かそれぞれ少しずつ違いがあるのが何とも美しい。
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 ユキノキも高木であり、その遥かに先の枝にしがみ付いているように、赤く焼けた葉がある。先の方から変色して、元の方に降りてきそうなものだが、どうやら違うらしい。この辺の変わり方を研究している人もいるのだろうが、当方はただユリノキの大きさに圧倒されて、ただ恐れ入っている。
 
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 桂の木の黄変した色もやさしい。葉の輪郭が卵型で柔らかいので優しい印象を与える。毎日毎日少しづつ散るので、義姉は葉書で大変だ大変だと嬉しそうに書いてきた。朝の掃き掃除は大変でも、朝の冷気を浴びて生反っているのであろう。
 
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 辛夷の大木に沢山の黄色の葉がなびいていた。大木はそれだけで人に元気を与えてくれる。春先のあの白い花に代わり、黄色の葉が人の感性に直接うったえてくれる。今日も元気だ、頑張らなければと。
 
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