こんにちは。城メグリストこと萩原さちこです。
先週は毛利輝元が登場したので、今週はその祖父・毛利元就のことを。

毛利元就は、言わずと知れた戦国大名。
安芸の国人領主から一代で戦国大名へとのし上がり、中国を平定したやり手です。

次男坊だったこともありなかなか地味で悲惨な幼少期を過ごしたものの、後継者争いに浮上して家督を相続。
そこから躍進していきます。

出雲の尼子氏と絶好して大内氏と同盟を締結。

大内氏を後ろ盾に得意の策略で尼子氏との抗争を戦い抜いていくことになります。

元就の名を世に知らしめたのが、1554年（弘治元）厳島の戦いです。
大内氏は滅亡の一途を辿ることになり、元就が戦国大名として台頭するターニングポイントになった出来事です。

毛利軍3,000〜5,000程度に対して、敵の陶晴賢軍は30,000以上。
まともに戦っては絶対に勝てない状況下で、元就は得意の調略によって内部分裂を図り敵を弱体化させて勝利をもぎ取りました。

謀反の噂を流して敵の陶晴賢に重臣を殺害させた逸話は有名ですが、圧倒的に少ない軍勢で勝利できたのは、その策略にあったようです。
作戦失敗をほのめかす噂をわざと流し、家臣には寝返りを約束する嘘の密書を遅らせたり、あらゆる手を使って敵を翻弄。
そして、勝機が見込める厳島へ敵を誘導することに成功したのでした。

このとき元就があらかじめ厳島に築いておいたのが宮尾城です。
わずか500の兵をつけて晴賢の神経を逆撫で。
さらには「宮尾城築城は失敗だった、厳島を攻撃されては困る」といった内容を、晴賢の耳に届くよう吹聴させたのでした。

平常心を失わせておいて、嵐の中をあえて出陣し、一気に襲いかかったのでした。

厳島には陶晴賢の本陣、勝山城もありますよ。

元就の居城は、毛利ファンの聖地でもある吉田郡山城です。

戦国大名の城の典型例ともいうべき巨大な山城。
総面積は7万㎡と最大級で、山中に張り巡らされた曲輪の数は合計でなんと約270以上あります。

もともとは本城と呼ばれる尾根の一角だけでしたが、元就のときに全山が要塞化されました。輝元が広島城を築くまでここが毛利の本拠でした。

吉田郡山城の登城口にある「百万一心」の文字は、吉田郡山城を増築するとき、人柱の代わりに埋めた石柱に刻んだ言葉だとか。
縦書きで「一日一力一心」と読めるように書かれ、「日を一つに、力を一つに、心を一つに」という意味で、「国人が皆で力を合わせれば、何事も成し得ること」を記したものだそうです。

では、今週はこのへんで。
来週もよろしろ～。

萩原さちこ（城メグリスト）

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城メグvol.118／毛利元就