忘れないうちに

昨日観た浪曲と人形劇の話を書いておきます。

 

 

「鯛」

 

和食料理店の

生け簀のなかの鯛たちのお話で

店主の網を逃れて長くそこに住む長老と

新入りの鯛の会話です。

「この中で老衰で死にたい」と言いつつ

最後は新入りをかばって捕まり舟盛りにされるという、

切ないけど

クスッと笑えるオチが付いてました。

 

元は桂三枝(現・文枝)さんの創作で

人気のあるネタだそうで

文枝さんらしいウイットにとんだオチやなぁと思わせてもらいました。

 

 

「ホレのおばあさん」

グリム童話です。

 

継母からいじめられて

働かされてばかりの娘が

糸巻きを井戸の中に落としたので

それを取って来いと

継母から井戸に落とされます。

 

井戸の中、地下の世界で

困っているもの達(パン焼き窯と林檎の木)を

優しい娘は助けてあげ、

その先では

ホレのおばあさんが病気で寝ているところを

親切にしてあげます。

そしてホレのおばあさんから

羽毛ふとんをふわっとかぶせられると

娘は金ピカを身につけて地上に戻っていました。

 

それを見た継母は

自分の娘にも金ピカを!と

娘を井戸に放り込みますが

 

継母の娘は

困っているもの達を無視し

ホレのおばあさんにも親切をしません。

そしたら

継母の娘はドロドロになっって地上に戻されます。

 

継母は

えい、じゃあアタシが!

と井戸に飛び込みますが

その後帰ってきませんでした。

 

チャンチャン♪

 

 

日本昔話にもある

「舌切り雀」「こぶとりじいさん」など

善良なおじいさんが得をして

悪いおじさんが真似をしてもダメだった~

というのと同じですね。

 

童話の教訓って

大人になってわかりきっていることでも

物語として

心和むものがあります。

 

 

「徂徠豆腐」(そらいどうふ)

 

ある豆腐屋が

無職の男に毎日豆腐を売るが

何日経ってもちっとも代金を払ってもらえない。

このままでは大損だから

おからでも持っていってやろうと男の家を訪ねると

近所の人が

「最近姿を見ない」

というので

てっきり飢え死にしたのだと思ってしまう。

 

それから月日が経って

豆腐屋の家が火事で丸焼けに。

途方に暮れている時

ある人の使いだといって

「これで立て直してくれ」と何十両かの大金を渡される。

あとで「ある人」が現れるのだが

それが

あの時の無職の男だった。

 

私たちも歴史の教科書で名前だけは覚えている

荻生徂徠(おぎゅうそらい)」

 

将軍・徳川綱吉に引き立てられて

偉い学者になっていたのでした。

 

これも童話でも見る教訓ですね。

困っている人に親切にしたら

それが実は大物だった、とか

神様だった、とか。

 

 

自分でもなんで

こんなええ歳になってからシンプルなお話に心が沁みるだろう~

と思うけど

素直に

「いいお話が聴けた」

と思ったので

 

記録として

書いてみました。