「ねえ、どこかに遊びに行こうか?
例えばさ、水族館だとかさ~」
「のり君、無理なんかしなくてもイイよ。
わたしの事を抱きたいから、来てくれたんでしょう?
わたしね、のり君が来てくれただけで、凄く嬉しいんだよ」
「そ、そんな事無いよ~。
オレ、由香さんに逢いたくて逢いたくて、堪らなかったんだ」
「嘘ばっかり!
のり君、分かり易いから、すぐ分かるよ。
ちゃんと、顔に書いて有るもの!」
「ごめん…」
「何も謝る事なんか、無いって!
わたし、のり君の愛人なんだからさ、
のり君の好きなようにしても、イイんだよ」
「由香さん、お願いですから、キスさせて下さい!」
「いいよ」
おいらが、足を骨折して以来、
由香さんは、おいらに対して、凄く優しく成った。
全然、我が儘な事を言わなく成ったし、
いつも、おいらの足の事を、気遣ってくれている。
その事が、ヒシヒシと伝わって来る。
おいらの奥さんの梅子さんは、
おいらが骨折する前も、骨折してからも、
そんなに態度は、大きくは変わらない。
だからと言って、それは梅子さんが冷たい人だなんて、
そう言う事じゃ、全然無いのです。
梅子さんだって、おいらの事を、
凄く、気遣ってくれているのです。
それは、彼女たちの、元々の性格の違いなんだと思う。
梅子さんの場合は、おいらに露骨に優しくしているようには、
見られたくは無い気持ちが、強いのだと思う。
その気持ちも、良くは解かっては、居るんですよ。
でもね、梅子さんは、夏の季節には、
あんまり、おいらの事を受け入れてはくれない。
それはさ、梅子さんの元々の性格なので有って、
おいらが、「不具者」に成ったからじゃ無いんだって事は、
解かっては居るつもりなんですけれどね…。
でも、やっぱり、こちらには「負い目」が有るので、
そんなに強くは、求める事が出来ない…。
由香さんには、そんなところが全く無いので、
ついつい、由香さんのところに、足が向かってしまうのです。
あのね、ちゃんと、セックスが出来ないとは言っても、
挿入するところまでは、そこそこ普通には、出来るのです!
そこからの、一番肝心な、
抜き差し運動が、上手に出来ないのです!
動かしたい気持ちは、もの凄く強いのだけれど、
激しく動かすと、付け根の部分に、激しい痛みが走る。
なので、上手く出来ない…。
由香さんは、その事も良く解かっていてくれて、
おいらに無理をさせない様に、気遣ってくれる。
「由香さん、すごく好きなんだ。
オレ、由香さんのあそこを舐めたい!」
「いいよ。
ねえ、わたしが上に成ろうか?」
嬉しくて、涙が出そうだった。
おいら、由香さんの事は、絶対に幸せにしなけりゃいけない。
もちろん、梅子さんの事だって、
絶対に、幸せにするんだけれどね。