1件目の物件は、
鴨宮駅から、すぐ近くの2階建ての物件だった。
家賃は、¥55,000ー。
礼金は、無し。
敷金は、1ヶ月分の、5万5千円。
ちゃんとした、2DK。
DKは6帖で、6帖の洋室と、8帖の和室。
お風呂と、トイレも別だし、
どちらも、ちゃんとしていると思った。
一人で暮らして行くには、何の問題も無いと思った。
でも、DKは、ちょっと貧弱。
特に、キッチンは、貧弱。
普通の女性だったら、いずれは不満を言い出す。
男の一人住まいには、贅沢過ぎるのかも知れない。
でも、女性にとっては、どうなのだろうか?
ちゃんとした、2DKでは有るのだけれど、
これは、いずれは、1LDKに成るに違いないと思った。
それに、1階の部屋だった。
1階はね~。
2件の物件も、駅からは徒歩4~5分くらいの物件だった。
立地的には、何の問題も無い。
家賃が、¥59,000-。
礼金も、敷金も無し。
1Kとしては、立派な間取りだと思った。
トイレも、洗面所も、お風呂も、全て、ゆったりしている。
洋室も、大きな造りで、ゆったりとしていて、
男の一人住まいで有れば、何の問題も無いと思う。
でもね~、キッチンが、やっぱり貧弱。
これでは、おいらだって、不満が溜まってしまうかも知れない。
3件目の物件には、かなり心を動かされた。
駅から歩いて、7~8分の距離。
でもね、地政学的には、抜群のポジションに有る。
大型の総合スーパーまで、歩いて3分。
間取りは、きっちりとした、3DK。
これで、家賃は、¥55,000-。
礼金が、1ヶ月分で、敷金は無し!
これはね、5.5帖のDKは、狭すぎる。
でも、隣りの洋室と一体化出来るし、
そうしたら、11.5帖の、LDKに成る。
それでも、十分に立派な、2LDKだと思う。
これで、この家賃は、ちょっと信じられない。
強いて言えば、収納が少ない。
収納が少ない物件は、後々、良くない事が多い。
でもな~、これは、お得だと思った。
4件目の物件は、驚いた事に、
3件目の物件の、すぐ隣りだった。
土地のオーナーが、3件目の物件と、一緒なのだと言う。
良い物件だと、思った。
キッチリとした3DKで、文句の言い様が無い。
これで、家賃が、55,000円で、共益費が¥3、000。
礼金は無しで、敷金が1ヶ月分。
う~ん、凄いなって思った。
つまり、月に、¥58,000で、暮らせる訳でしょ?
おいらのマンション、管理費と修繕積立金だけで、
月に、6万以上、払っているんですぜ~。
でさ、由香さんが言うんだわさ。
「どれにしたら良い~?」って。
オレに、決めさせるのかよ?
それは、無いでしょ!
「1件目と、2件目は、良くないと思うよ。
3件目と、4件目は、どちらも良いと思う」
「わたしと、一緒だね。
わたし、3件目のマンションに、しようと思っているの。
のり君、イヤじゃ無いよね?」
「あのさ、何度も言うんだけれど、
もう、下北沢には、未練は無いの?」
「のり君はさ、そう言う事を、言ってくれるから、
大好きだよ。
でもね、わたしはやりたい事をやったんから、
何も、後悔は無いの。
のり君さ、愛人にしてくれるんだよね?」