「ねえ、のり君ってさ、風俗って行った事は有る?」

「有るよ。
 若い頃は、割と良く行ってた方だと思う」

「この頃は、行かないの?」

「そうね、もう20年くらいは、行って無いかな」

「どうして?」

「どうしてって、話すと長く成るよ?」

「長く成ってもイイから、教えて欲しいわ」

「オレってさ、軽蔑されるかも知れないんだけれどさ、
 好きな女性じゃ無くても、
 抱きたく成っちゃたりするんだよね」

「別に、軽蔑なんてしないわよ。
 男の人って、割りと、そうなんじゃ無いの?」

「う~ん、そうかも知れないんだけれどさ、
 オレの場合は、ちょっと違うんだよね。
 実際に抱くまではさ、本気で抱きたいって思っているんだ。
 でも、実際に抱くとさ、全然、楽しく無いしさ、
 全然、幸せな気持ちに成れないんだ」

「え~っ! そうなの?」

「うん、オレってさ女性のオマ〇コを舐めるのが好きでしょ。
 それも、一緒なんだ。
 実際に舐める前はさ、心から、この人のオマ〇コを、
 舐めたいって、本気で、そう思っているんだよね。
 でも、実際に舐めてみると、ちっとも嬉しくも無いし、
 楽しくも無いんだよね」

「へ~、そうなんだ?」

「そう言う時にさ、どうするのか分かる?
 好きな人の事を想像するんだよね。
 実際には、別の人のオマ〇コを舐めているんだけれど、
 これは、好きな人のオマ〇コなんだと空想して、
 それで、頑張って舐めているんだ」

「嘘でしょう?
 本当なの?」

「本当だよ。
 それは、セックスの時も、そうなんだ。
 実際には、別の人としているのに、
 これは、好きな人としているだって、空想して、
 それで、無理して頑張って、しているんだ。
 だから、終わった後でも、全然、満足感も無いし、
 幸せな気持ちにも、成れないんだよね。
 後悔ばっかりなんだ。
 自分に対しても後悔するし、相手の女性に対しても、
 悪い事をしたな~って、後悔しちゃうんだよね」

「ふ~ん、それはちょっとビックリだわ」

「いや、男がみんな、そうだって言う訳じゃ無いよ。
 ただ、オレの場合は、そうなんだよね。
 それが、身に沁みたから、行かなく成ったような気がする」

「へ~、ちょっと、そんな話し、初めて聞いたわ。
 ねえ、具体的には、誰の事を空想してるの?」

「え~? まあ今で言えば、60%くらいは、由香さんかな」

「え~っ!?
 わたしの事を空想しながら、他の人としてるの~?」

「まあ、そう言う事に成るかな…」

「それってさ、あんまり気持ちの良い話しじゃ無いよね」

「ごめん、悪かったよ…」

「いや、のり君が謝る事なんかじゃ無いんだけれどさ、
 60%って事は、後は誰なの?」

「う~ん、30%くらいは、摩矢子さんかな?」

「摩矢子さんって、のり君に嘘を吐いて、騙して、
 振ったって言う、あの摩矢子さん?
 のり君、恨んでいたんじゃ無いの?」

「いや、今でも、本当に恨んでいるんだよね。
 自分勝手で、わがままで、世間知らずで、
 他人の気持ちなんて、考える事も出来ない、
 本当に、酷い人だと思っている。
 でも、自分でも良く分からないんだ。
 体型だとか、顔立ちの影響も有るのかも知れないんだけどさ。
 まあ、オレは、摩矢子さんの裸も、
 見た事も無いんだけれどね。
 キスも、した事も無いんだしさ…」

「のり君、本当は、摩矢子さんの事を、
 好きなんじゃ無いの?」

「いや、それは無いと、思うんだよね」


(続く)
 

 

 

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