白鴉(shiroa)のビバラムービー

白鴉(shiroa)のビバラムービー

~~映画生誕100周年に灼かれたバカの映画遍歴
& アマチュア作家 平塚白鴉のおバカで役立つブログ

Linuxで使えているけど、ちょっと不具合がありまして。
 
しろあです。
 
先日、Ubuntuの大型システムアップデートを行ったら、どうやらちょっとシステムが壊れてしまったようで。
新しくソフト(アプリ)を入れようと思っても、何かしらロックがかかってできなくなったり、
GoogleChromeの更新ができなくなったり。
……いや、表向きはできてるんですよね。ちゃんと新機能は搭載してる。ジェミニが動くようになってる。
だけど「更新に失敗しました」という表示が出る。

 

仕方ないのでLinuxといえばのFireFoxを現在は使ってます。

こちらさすがに更新は問題ない状態で、常に最新バージョンです。

多少、Chromeよりも速くなった部分はあり優れてるけど、

やっぱりLineが使えるとか、Chromeのメリットは大きくちょっとさみしい。

 

そこで新しいPCを気が向いたら調べてます。

 

で、面白いのを見つけたよ。

 

CPUがN95という、ミニパソコンでいまブイブイ言わせている人気モノを使ってます。

つまりは、ゴリゴリ画像処理するとか、スペックを求めるゲームをプレイするとかには向かないけれど、

一般的なPCの使用、ネットサーフィン、office系を扱うくらいならば問題ないそうです。

 

ちゃんとMSofficeがついてるのは素晴らしい。

メモリ16GB、SSD 516GBと手厚いのも魅力。

 

面白いのが、2in1PCのような使い方ができるところ。

画面とキーボードは外れないけど、パタッと画面をうえにして閉じ、

タブレット感覚で使うことも可能。

ミニHDMIも搭載してるので、仕事でも結構役立ちそう。

 

てなわけで。

ちょっと気になったので紹介いたしました。

 

ここにきて毒盛りの災いが重なる。

 

しろあです。

 

前回がこちら。

毒盛りでドラゴンを殺そうとした試みは、

逆に毒のスキルを獲得させ、

もう少しで勇者が勝てそうだったのに負けることとなり、

ドラゴンの卵を割ろうにも、巣は毒が充満し、卵が取り出せなくなってしまった。

 

この危機を村は乗り越えられるのか?!

 

続きをどうぞ。

 

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◇546年 5の月 孵化とその死

卵排除班は、そのまま卵監視班となり竜の穴の動向を探った。
4の月下旬、ドラゴンの卵は孵化した。

親のドラゴンたちは甲斐甲斐しく餌を穴へ持ち帰り、給餌をしているようであった。
5の月に入ると穴から弱々しい大きなトカゲが這い出てきた。
人の子ほどの大きさと証言されている。
背中には折りたたまれたまだ未熟な羽があるようだった。

ドラゴンの子は親に守られながら森へ這い出したが、その先の崖から力なく落下し体を折り絶命した。
親はしばらくその周りで子を見守っていたが、動かなくなったことを知り、やがて離れていった。
監視班が近づき確認したところ、弱々しく生まれてまともに食事も摂れていなかったのではないかと思われた。
彼は死骸から手を切り取り、村へと持ち帰った。

おそらく、生まれた子供も毒に冒されたのであろう。
生まれながらに病に冒された子は衰弱し、食べ物も喉を通らぬまま苦しんで死んでいったのではないか。
村ではドラゴンの子の死に安堵したが、子を思う親の気持ちを察し、不憫に思うものもいた。
有志によりドラゴンの手を埋め、墓が作られた。

それが今も残る”竜の手塚”である。

 

 

さて、お楽しみの大統領選がやってきました。

 

しろあです。

 

大統領選が終わり、相場の傾向が見えてきたら

やっと本気出して攻めの投資に戻れます。

10月は消極的な投資でしたが、チャンスをしっかり利益にかえて

 

 10月の結果 5.1%の利益でフィニッシュでした。

 

久々に5%を超えてテンション上がってます。

 

投資信託の結果は、

 

 投資開始から現在で 6%の評価益で推移中。

 

評価益だから売り抜けなきゃ利益にならないんだよね。そこんところが注目点。

FXは評価額じゃなく、利益、現金でちゃんと儲かってるところがミソです。

 

ポイ活は

 

 トリマで現金 1000円

 TikTocLiteでPayPay 1000円

 

これは先月のボーナスの残りを換金しただけで、

急激にTikTocでは稼げなくなってます。

けど、動画投稿でフォロワーが増えているのでやめません。

そのうち、動画投稿がメインになりそうですが。

 

トリマは安定してますね。さすがです。

 

11月中旬頃にはギアを上げて投資をしていくので、また来月の結果も楽しみです。

大体、年間で1000円ぐらいの印税が入ります。

 

しろあです。

 

決して儲かる仕事じゃないし、儲けることが目的ではないですが、

投資に弱い日本人のために、少しでもお役に立てばと毎年発行しています。

 

やはいもので今回で4冊目になりますか。

書いてるトレードの内容は初版と変わらないのですが、毎年その1年トレード経験から

さらに甘いところをブラッシュアップして毎年完成度を上げてきております。

巻頭の導入部分はエッセイになっており、面白く読みやすくて、

自然と投資の話が、考えが身につく作りになっており、

ここは毎回常の新しく書き換えています。

今回は個人投資家が増えてきたので、それに合わせな内容。

スタート切ったけど、その後迷走している若き投資家たちに役立つ読み物になっています。

 

投資パートは2024年の激動の相場を反映した話と、リスク回避のための簡単な指針で安全を担保。

より簡単で安心なルールにブラッシュアップします。

 

おまけには私が実践している「家の外壁塗装、実質タダで行う方法」を紹介。

私の投資法でこんなことができるんだな、と実感してもらいたいと思います。

 

ということで。

毎月1日に報告していた投資実績は、当日朝に間に合いそうにないので、

変わりに新しい本を書いてるよ、という宣伝でした。

 

投資実績は3日にアップします。

 

ポッドキャスト『ゆる言語学ラジオ』を聞いてると、あんまり面白そうだったので。

 

しろあです。

 

ポッドキャスト、音声媒体ですよ。

だのに、”昔ハマった遊び” とか言って、知恵の輪の進化版のようなパズルを持ってきて、

二人でかちゃかちゃ遊び出したんですよ。

声だけですよ。映像が見えないけど、なんとなく話している内容を聞いてると、

 

 お、そのパズル。こうやって解くんちゃうん?!

 

と見ても触ってもいないけどなんとなく解けそうな気がしてきて、

なんかじれったくなってきて……

 

 誕生日プレゼントにリクエストしてもらったよ。

 

こうやって画像を見てみても美しい。カッコいい造形。

この四角と丸を分解し、再び戻すのがこのパズルの問題です。

 

 勘のいい方はすでにおわかりだと思いますが、

 この造形物は、丸が2つ、四角が2つに分かれ、

 合計4つのパーツで構成されています。

 

ずっしりと重い。

触ってみると四角い部分は思った以上に遊びがある。

丸はそれほど遊びはなく、四角をゆるめてみた時に、

少しずれ、隙間ができる程度。

 

 隙間ができるということは、分解できるってことだ。

 

そんな単純な論理から形を観察していくことで、

いかにしてばらしていくか……

 

 と、いじっているとするりと分解に成功。

 約10分。想像以上にはやくクリアしてしまった。

 

しかし今度は戻さないといけない。

外したものの、その感触はなんとなく覚えているが、

それを巻き戻すにはどうしたらいいか、わからない。

この辺はやはりよくできている。

 

4つのパーツをよく観察する。

丸を構成するパーツ、四角を構成するパーツはそれぞれ同じ形をしている。

丸と四角のパーツを組み合わせて2つ同じパーツが作れるわけだ。

それを外れたときの感触を思い出しながらくっつけようとするが……

 

 どうしてもぶつかってうまくいかない。

 

考え方の方向性は間違っていないはず。しかし、どうもうまくいかない。

ずしりと重さのある丸と四角のパーツを同じ形で2つホールドして持つこと自体も難しい。

組もうとしたときに丸いパーツはくるりと回る。これは器用さも求められるのか?!

 

これはこれで知恵が必要で、どう持つことで2つ同じ形を維持し、思い通りに組むことができるのか。

それもパズルに組み込まれているのだろう。

 

 ……ここでパズルの答えを書くわけにはいかないので詳細はさけますが。

 

ひとつひとつのパーツと、その組み合わせ方を観察しながらどんなパターンができるのか、検討。

論理的にこれではまるはず、というパターンで試すが、丸か四角がどうしてもぶつかりはまらない。

 

どこがぶつかっているかを観察すると、

 

 ……え、本当にこれって物理的にはめることができるのか? 不可能じゃないか?!

 

そう絶望するほど噛み合わない。しかし、自分の手の中で間違いなく分解できたのだから、絶対に戻せるわけだ。

なるほど、まず分解するところからプレイヤーにチャレンジさせるのはそういうことなのだろう。

 

 このパズルが解けないのは決してこの商品の設計ミス、製造上の精度が低いからじゃないよ。

 

あんまりできないとそんなところまで疑いたくなるけれど、その可能性ははじめに潰してくれているわけだ。

 

結果的には造形、組み合わせる時の動きなどを観察し尽くし、

あらゆるトリック(※)をクリアすることでようやくはめることに成功。

 

 するっと戻る瞬間、おおおおおおおっ!!!! と興奮。

 もう、体がうずうずしてじっとしてられず、部屋の中で走り回ってしまいました!

 

子供の頃、じっとしてられずうずうずした感覚を随分久しぶりに思い出しました。

これって、”感動” という感情が体中を駆け巡ってもはや動かずにはいられない衝動だったんだな。

 

子供を育てる時、じっとしてられずにはしゃぎまわってるのをみて「じっとしてなさい!」というのは、

子供の感情を抑えてしまう、心と身体をちぐはぐにさせかねない悪い教育だったのかも。

なんてことも考えてしまいました。

 

パズルを外すのに10分。それを戻すのに3日。それだけ戻すことの難しさが知れますね。

 

キャストマーブル。もちろん偶然に戻せることもあるかも知れません。

しかし、その構造を研究しつくし、知り尽くすことで、

このパズルのすごさ、美しさが理解できるでしょう。

考え尽くすことでこの解答にたどり着ける、そんな絶妙な難易度の作品でした。

 

あなたもぜひ、チャレンジしてみて下さい!

 

※あらゆるトリック

 : プレイヤーが解く時に「こうすればいいんじゃないか?」という

   思考を読み、その方法ではクリアできないように仕組んでいる、

   パズル作家がプレイヤーを嘲笑う様子が思い浮かぶ罠です。

   キャストマーブルには2つほど仕込まれていました。

   これでいけるんじゃない? と思ってからの先が長いんですよ。

竜の勇者、敗北。次なる試練は?!

 

しろあです。

 

前回はこちら。

続いて村にのしかかる新たな問題とは?!

ではいってみましょう。

 

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◇546年 2の月 村の艱難

竜の勇者の死から始まり、村にとっては艱難が続いた。

まずは宵越しの祭りである。
過去と経済事情がことなり、外部からの移住者が増えてきたことでいままでの慣習通りの祭りを行うのが困難となった。
移住しそこで商売をはじめ、富を得た者にとって村の習慣だからと年末に富を徴収されるのは耐え難きことであった。
またその背景には働かざるものの存在もある。
以前はそれぞれができることを村のために行ってきたが、村の富を笠に働かずに庇護を受けるものが昨年より出てきたのである。
見てみぬふりをするものも多いが、富多きもの、激烈に働くものにとって、その努力の結晶を徴収され、働かざるものは仕事もせずにその分配にあやかるというのは許せぬものだった。
村長はその村人の意見を退けることはできず、今回より小さき規模で村の歳入の中から祭りを行うこととなった。

次にドラゴンの卵の問題である。
竜の勇者の戦いが終わり、その悲しみをおいてしばらく、1の月を待ちドラゴンの卵を排除することとなった。
作戦は決行されたが、問題が起きる。
竜の穴に入った卵排除班の一人が、穴の奥で倒れ意識を失ったのだ。
すぐに彼を穴から引き出し、作戦を中止し湖のそばの小屋で介抱を行ったが、彼はそのまま死んでしまった。
医者が診るところ毒による中毒死であった。
ドラゴンへの毒盛りの影響はここにも現れたのであった。

村ではドラゴンの卵が孵るのを待ち、その子供をなんとか殺すことができないか、議論が続いた。
しかし大方のものはそのまま見守ることを支持した。
幸い力をつけた村にはドラゴンがあと2匹増えても贄を用意する余力ができている。
無理に危険を冒さずとも、害をなさぬのならば今まで同様に共存の道が妥当であろう。
毒盛りをやめればおよそ2年後の次回の産卵では毒息の効果もなくなっていよう。
1匹のドラゴンが増えることは容認すべきであると。

かくしてドラゴンの卵が孵化するのを見守ることとなったのである。

普通に、ど定番直球のホラーでした。

 

しろあです。

 

まず大前提として。

私の好きなホラー映画のひとつに『パペットマスター』があるんですよね。

今回紹介するのはこちら。

説明を受けなくてもわかると思いますが、人形が襲ってくる怖い話です。

この人形は、最先端のAIロボット。

ロボットの暴走でえらいことになる……というホラーのど定番の展開が待ってます。

 

 でも、なんか期待したくならないですか??

 

AIやコンピュータの発展により、人間が不要と判断したロボットが人間を排除しようとする、

というプロットは、SFの初期よりすでにやりつくされてるんですが、

SFの初期、日本では高度経済成長期くらいだと、まだまだロボットの技術が今後どうなっていくか

わからなかった部分があります。

その分、想像で埋めていたし、

その想像を実現するガジェットをその後の世代が実現していった部分はあります。

スマホとかね。

 

 この科学技術が発達した、生成AIも実用化されてきた現代で、

 このプロットの作品を作るとどうなるか!!

 

この辺がこの作品『ミーガン』の見どころかな、と思いながら見てみました。

 

……残念ながらこの部分では期待はずれ。

というのは、技術的にリアルになっている部分はありますが、

 

 ホラーの展開、演出に関しては、逆に70年代レベルと変わらないんです。

 

技術が進歩した分、”そうか! こんなことが起こるのか!” とか

”なるほど! そんな考えはなかった!” という発想の驚きが欲しかった。

 

とはいえ。全般的には丁寧に作られた作品です。

わかりやすく言えばキューブリックの雰囲気を感じる作品。

色合い、演出などなど。そこここに散りばめられています。

 

ミーガン、というAIロボット。

これは基本的には子供向けのおもちゃとして企画された商品です。

作中の設定では1体100ドル。

……150万円と高価ですが、本当に実現できてれば逆に安い。

 

というのは、ものすごい機能が備わっており、

一緒に遊ぶことはもとより、子供の見守り、勉強を教える、しつけをする、家事をするなど、

 

 ベビーシッター + おもちゃ + 友達 + 先生 + ……親

 

くらいの仕事をします。安いでしょ?

子供と会話しながらAIは子供のことを理解し、

傷つけずに接してくれるから、子供としても最高の相手でしょう。

作中の子供は依存してしまい、親はいらないけどミーガンは手放せない状態になります。

これはこれでこわい。

 

ミーガンの前作のお友達ロボットが冒頭で登場します。

このロボットはスマホやタブレットと連動していて、たまごっちのように

アプリ上でお世話をすることができます。

子供は旅行先に向かう車の中で”うんち”の処理をするんですよね。

そのときに親はタブレットに夢中に向かって「そんなクソみたいなゲームはやめなさい」

と注意します。けど、子供はやめない。

−−この辺は英語を少しかじってると笑えるシーンなんですが、これが実は伏線になってます。

 

終盤、子供がミーガンに襲われるときに

「こっちくるな! このクソロボットが!」みたいなセリフをいいます。

自分が遊んでいたものをここで自分自身も ” Shit! = くそ! ” と言い放つところが

冒頭のシーンといい対比になっていて笑えるようになってました。

 

ある意味、こどものおもちゃ離れも表現したかったのかもしれません。

(いや、それはないか)

 

丁寧に作られたといいました。

ミーガンの動きはとてもクールで楽しい。

これは間違いなくこの映画の見るべき価値のひとつです。

劇中で動くシーンはそれほど多くはないのですが、終盤のおもちゃ会社で

暴れまわるシーンはなかなかしびれますよ。

 

ホラー映画らしく、尺もちょうどいいので、

スカッとホラーを楽しみたいときにはおすすめできる作品です。

 

 

 

優勢だったが勇者、倒れる。

 

しろあです。

 

前回はこちら。

毒によって倒れた……と聞くと、

きちんと通して読んでいる方には、なるほどと納得が行くのではないかと思います。

 

さて、ドラゴンを追い詰めた勇敢な勇者の戦いの結末を見てみましょう。

 

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◇545年 12の月 竜の勇者のドラゴン退治 結末

いまでも竜の勇者の墓石は湖畔のそばに祀られている。
常に綺麗に保たれているところからも、村でどれだけ慕われているかが知れよう。

勇者はドラゴンの吐く息に含まれる毒により死んだ。
グラン種のドラゴンが毒息を吐くことは知られておらず、
どうやら毎月の贄に含む毒を摂取することにより獲得したものと推察された。

森に入ったドラゴンはヤツバグサを好んで食べていたことから
毒に対する耐性を獲得しており、体に余った毒を息として吐いていたのであろう。
それ以来村では、ドラゴンの贄に毒を混ぜることを止めた。
いまでは知られているヤツバグサの解毒作用であるが、
この件をきっかけに世に広まることになる。
そして毒による死者の数を減らしたことは、災害が齎した現代への教えであったと言えよう。

手負いのドラゴンは翌々日には竜の丘へやってきて眠っていた。
その時には剣はなかった。
後に竜の潜る森の中で勇者が使用した剣が見つかる。
森の中を動き回る間に、ドラゴンの体から抜けたのであろう。

竜の勇者のドラゴン退治以降、村はドラゴンの討伐を諦めた。
あれだけの剛の者でも敵わないのである。
ならばこのまま共存をはかろう。
また繁殖さえ防ぐことができれば、いつかドラゴンにも死が訪れる。
それを待つほうが懸命であろう。

村にはドラゴン討伐に対する懸賞金の貼り紙はすべて剥がされた。
カトラン市では忘れ形見のように街角に残っていたが、やがて朽ち、
年を減るごとに消えていったのであった。

追記1
化学術士は ”隆盛なることこのうえなし” で知られる
竜製薬を起業し、成功を収める。
誰もが知る感冒薬の製造会社である。

追記2
聾唖の弓使いのその後は知られていない。
 

ただ読めば「へぇ」で終わるけど、よく考えると「ふむ」と考えさせられます。

 

しろあです。

 

動物寓話でおなじみのイソップですが、人間がテーマの話もあるんですよね。

その中から面白いもの、興味深いものを紹介しております。……基本的には。

 

今回はその番外編として、動物でも人でもなく、 ”物質、モノ” が主人公のお話。

そのため番号関係なく紹介しています。

 

ちなみにナンバリングの『Hausrath』は底本となる書籍の掲載番号。

バッハやモーツァルトも楽曲には作品番号が打たれてるでしょ?

クラッシックの作品ナンバーと同じく、

イソップ寓話やグリム童話は底本によりナンバリングされてるんです。

これが作品を調べるとき、より深く調べたい時に役立つのでタイトルに入れております。

 

今回は『壁と杭』というお話。

では行きましょう。

 

 壁が杭に打たれている。

 このままでは割れて壊れるので、壁が杭を非難した。

 「何もしてないのにどうして割ろうとするんだ」

 杭はこう答えた。

 「俺に言われても困る。

 悪いのは俺をガンガン後ろから叩くヤツだよ」

 

ちょっと着色して話を長くしました(笑)が、こういうお話です。

基本的には「そうだよね、ははは」と笑って聞く話ですが、

私は「ふむ」とある実験を思い出しながら余韻に浸りました。

 

 戦時中、なぜ人はあれほどに残忍になれるのか?

 

基本的には普通の人が普通に生活していれば、相手に残酷なことをしようとはしません。

まして好んで行うようなことはありません。

趣味嗜好で、という異常者は一部いるかもしれませんが、

多くの人は可愛そうだからそんなことはしたくないとお思いでしょう。

良心の呵責にも苛まれますし、後味も悪く心の傷を負うかもしれません。

 

戦時中の話の中では日本兵が如何に虐待、虐殺を行ったかを韓国中国が非難します。

別に日本人が特別残酷なわけではなく、中国の古書ではかなり残酷な話がありますし、

ドイツやヨーロッパ諸国でも同じくおっそろしく残忍な話がたくさん残っています。

 

戦争の恐ろしいところは、それまでごく普通のいい人だったのに、

なぜか残忍な所業に手を染めてしまうところにあります。しかも集団で。

 

その心理状態の理解につながる有名な実験があります。

”ミルグラム実験”。

 

ご存知の無い方はこちらを一読下さい。

 

この実験は、ごく普通の人が、気がつけば相手が気絶するほどの電圧を平気で流してしまう状態になることを示しており、

恐ろしいのはそれについて良心の呵責を感じていないこと。

 

 ただ、ルールに従っただけ。自分は悪くない。

 

そんな心理状態にいたると人は平気で残酷なことを相手にしてしまうものなのですね。

 

『壁と杭』という今回のお話はまさにこの人間の深層心理をよく表しています。

壁は杭を非難しますが、杭は「俺は悪くない」と悪びれる様子はない。

それでも実際に壁を破壊しているのは杭である事実は変わらないのですけどね。

 

この心理状態は仕事上にも非常によく当てはまります。

 

 仕事だから仕方がない。会社から言われたからやる。

 

それが力になることもモチロンありますが、大切なのはそのやり方が

 

 善に基づいたことであるか

 

という根本部分で誤ってないことですね。

そういうことを説いたのが孔子の『論語』だったりします。

 

『イソップ寓話』とは、

イソップが語ったのではなく、民間で伝わる話なのですが、

 

 紀元前にはすでにこういう心理が解明されており、こうして物語として口伝えされてきた

 

ということに人類の知恵を感じます。

そう考えると『イソップ寓話』は読むに値する書物だなぁ、なんて思いませんか??