第一話主人公は短大進学のために岩手から上京して一人暮らしを始めた美羽。

 

母親はかつては地元で1、2を争う美人だったが地元の優良銀行に勤める男と結婚し、今では「岩手第一主義」の人。

 

岩手ほどいい場所はないと信じ、将来美羽には岩手で結婚して近くに住んでほしいと望んでいる。

 

美羽はそんな母親に反発を感じているが、ある時母と美貌で双璧をなしていた東京在住の母の幼馴染から、母は本当は

東京で暮らしたくて東京の男と結婚しようとしていたが、仕方なく地元の男と結婚したのだと知らされるーーー。

 

 

娘時代は田舎を出て東京で暮らしたかったがそれが叶わなかった母は、東京を毛嫌いし娘の上京を快く思わない。

 

けれどそんな母も、地元の思い出の味を小包に入れて、仕送りしてきてくれる。

 

最後はその小包を嬉しく思いながらも、美羽が改めて東京に残りたいと強く決意するところで物語は終わる。

 

正直、今後の美羽の薄暗い未来を色々と感じてしまった。

 

物語のなかで美羽はリサイクルショップで家電を備えていく。上京して一人暮らしを始めたアパートに、家電がないからだ。

 

炊飯器すらない。

 

東京は危ないところだ、娘が心配でたまらない、という母は地元の味を小包で送ってくれるが、そんな娘の家には明日の白米を炊くための炊飯器すらない。

 

これが本当に母の優しさだろうか、と思わずにはいられない。

 

そして美羽は短大進学のために上京している。就職まで2年もない。母の反対を押し切り、東京で暮らしたいという願いを叶えるためには十分な稼ぎのある職を得なくてはいけない。

 

そんなことが短大卒で東京に身内のいない美羽(冷たい兄はいるが・・・)に可能だろうか。

 

地元の味のお菓子を小包で送ってくれる母は冷蔵庫すら一人暮らしの娘に持たせてくれなかった。

 

2年後の美羽がどんな未来を歩んでいるのか。

 

仕方なく地元の男と結婚したのだ、と幼馴染に嘲笑われる母と同じ未来が見えるような気がする。