昨夜はあんな弱った姿を見せちゃったからか

 誰かの想いが、私の元へとやって来てくれたのか、夢の中で、後ろからそっと優しく抱き締められる夢を見た。




 






 耳元で囁かれる声は、優しくて

 なんだか、切なくも感じて。


 “君のそばに、いつも居るよ。寂しくないように、ずっと抱き締めていてあげるから、安心して”


 夢の中では、満たされていて。

 夢に魅せられて、心はあったかくて。

 だけど、夢だとわかってるから...この夢から醒めたくなくて...。


 感じられる温もりに、今だけは酔っていたいと...夢の中では、素直になれたのに。



 目が覚めてしまえば




 “ずっと...抱き締めていてあげるからって、言ってたじゃない”


 って、夢の中の貴方に、文句を、心の中で呟くけど、返事は一言も返ってはこない。






 




 独りの夜も、独りの朝も、

 毎日、変わらない寂しさが私の中で続いてく。



 時計の秒針が進むごとに。



 貴方との、心の距離のように...





 🐺...🐾