世界を震かんさせた「9・11」から約10年。国際テロ組織アルカイダの最高指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者(54)殺害のニュースが2日(日本時間)、世界中を駆け巡った。首謀者とされる人物がいなくなっても、遺族は心に区切りをつけることは難しく、報復を心配する声も出る。テロや戦争のない日々は訪れるのか。【太田誠一、ニューヨーク山科武司、カイロ斎藤義彦】
「我々遺族の胸の中に区切りはない。子どもが帰るわけでもなく、悲しさや悔しさが増幅するだけです」。同時多発テロで、富士銀行(現みずほ銀行)ニューヨーク支店に勤務していた長男和重さん(当時35歳)を亡くした広島市安芸区の元銀行員、伊東次男さん(76)は、かみしめるように語った。
2日昼、報道機関からの電話でビンラディン容疑者殺害を知った。米国が大変な犠牲を払った答えなのだろうと思うが、「同じ悲劇が蒸し返されるようなことはあってほしくない」と報復テロの活発化を心配する。
テロから10年近くたつが、和重さんの遺体は見つかっていない。02年1月、ニューヨーク州の裁判所から死亡宣告を受けた。自宅には、今も形見のスーツとネクタイを大切にしまってある。
度重なる訪米の世話になった知人から依頼されて約2年前、「原爆体験」を多くの人の前で語った。広島に生まれ、1945年8月6日の原爆投下で12歳の兄を失った経験を持つ。「息子の死」も重なり、平和への思いは募った。地元の中学校や原爆資料館で、平和の大切さを訴えている。「一方にとっての正義は、一方にとって悪である場合もある。どうしたら負の連鎖を断ち切れるのか。世界中の人に考えてほしい」と訴えた。
◇死を喜ぶ姿うろたえ
世界貿易センター(WTC)で夫リチャードさん(当時54歳)を亡くしたコネティカット州のジュディ・キーンさん(64)は2日朝、毎日新聞に「うれしいと言えるかもしれないが、別の部分ではうれしいとは言いたくない。終わりに向けた一つのステップとは思う。人々が1人の死を喜ぶ姿には少しうろたえている」と心境を語った。
前夜に息子から知らされたジュディさんは「誰かが彼の地位を引き継ぐだろうし、米国の厳しい警戒は続くと思う」とも述べた。ジュディさんは夫の名前を冠した基金を設立して体育館を建設。子どもに9・11を語り継いでいる。
◇「USA」を連呼
テロの現場となったニューヨークのWTC跡地(グラウンド・ゼロ)近くの道路には、オバマ大統領の声明を聞いてニューヨーク市民ら数百人が集まった。工事が続く跡地の隣で星条旗を振って「USA」を連呼。あちこちでバグパイプの演奏や「ゴッド・ブレス・アメリカ」の斉唱が流れた。
マーク・バリントさん(49)は、義弟がWTCでテロに遭遇。幸い無事だったが今も強いストレスに襲われ仕事もままならない。「国内外にテロリストは存在する。テロとの戦いはまだ終わらない」と笑みはなかった。
◇「私たちに関係ない」
エジプト・カイロの街角では、ビンラディン容疑者死亡を静かに受け止めている。特に、民衆革命で独裁者を倒し、自由を得た市民には、容疑者は「過去の人」と映るようだ。「ビンラディン? 私たちには関係ない」と会計士の男性(33)は首をすくめる。
引用:毎日新聞
遺族の気持ち・・・
アメリカ国民の気持ち・・・
エジプト国民の気持ち・・・
当事者にしかわからない複雑な思いがある。
どれが良くて、どれが悪いなんて
そうそう簡単には決められない。
ただ・・・これも歴史の1つになっちゃうんだなぁ(>_<)
![にほんブログ村 地域生活(街) 中国地方ブログ 岩国情報へ](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Flocalwest.blogmura.com%2Fiwakuni%2Fimg%2Fiwakuni88_31.gif)
にほんブログ村