仕事を終え、電車を乗り継ぎ東京は吉祥寺武蔵野公会堂で行われる立川談笑一門会を見に行った。

 半年以上休んでいた二番弟子の笑二が復帰ということで開演に間に合わなくても笑二の出番にさえ間に合えば見に行くつもりだった。少し残業もあったし途中電車の遅延などもあったが開演の7時の10分前には武蔵野公会堂に入ることが出来て何より。

 7時に開演。

 開口一番は立川笑王丸。

 噺は「道具屋」。

 まだ前座なのにどうしてこんなに上手いのだろう。もう、まくらから面白い。多分自分で手を加えたであろう「道具屋」も最高。一門によっては前座の内は習ったままやれという所もあるだろうから談笑一門でなければこんなに自由には出来なかったであろう。この先が楽しみでしかない。

 続いて笑えもん。

 噺は「もう半分」。

 この噺は初めて談四楼師匠を見た時にやっていたのをよく覚えている。落語は酒にだらしない人間に寛容だったりするけれどこの噺の爺さんにはまったく同情できない。笑いどころもない噺を最後まで聞かせてしまうのはやはり上手いからか。

 仲トリは吉笑。

 総領弟子。

 噺は「おしくら」。

 基本新作の人だけれど今日は古典。真打も決定したので、もしかしたら今後は古典をやる比率も高くなるのかも。

 「おしくら」は昨今のコンプライアンスには色々と引っ掛かる噺とのこと。たしかにそんな内容。でも、色々な人間に気を使って何も言えなくなる世の中は面白くない。初めて聞いた「おしくら」は面白かった。

 仲入り休憩後は待ってましたの笑二。

 ではなく談笑師匠の出囃子が流れ談笑師匠が登場。急遽出順を変更。まだ笑二は出さないといういじわるなサプライズ。

 あれこれ語り「粗忽長屋」に入る。

 他の人の「粗忽長屋」と違って粗忽な人が沢山出て来る。改作の談笑の本領が発揮された内容。

 そしてトリの笑二。

 半年以上ぶりの高座復帰。遠目にも分かるくらい痩せていた。休んでいた間は地元の沖縄に帰っていたとのこと。休んだ理由を少し話してくれた。なかなかに大変だったらしい。

 噺は「青菜」の予定だったが急遽トリになったので「不動坊」に変更したとのこと。

 半年ぶりの高座で急遽のネタ変えでどうなるのかなと思ったら重ねて来た稽古に裏打ちされた安定の内容。何度か聞いているのでここであのセリフが出るなと分かっているのに笑ってしまう。

 しばらくは月一の談笑一門会の時だけ沖縄から来るというスタンスで完全復帰はもう少し先とのこと。絶対に辞めてほしくない人なのでじっくりとその日を待っていたい。