この時期になると、思い出すことがあります。
先代わんこのお友達犬、レオくんがまだ元気だった頃のことです。
1キロくらい離れた、別の住宅街を散歩していたら、公園で1人の女の子が遊んでいました。
見たところ、この春から小学生になるくらいの年齢に見えました。
その女の子が、「かわいいわんちゃん」と言って、近づいてきました。
普通は、ちょっと話して、撫でさせてあげたりして「バイバイ」になるのですが、その女の子は私の後をついて来ました。
時間はもう午後の4時前頃です。
その子が住んでいるのであろう住宅街の外れに来ても、まだついて来ます。
「こんなに遠くに来て大丈夫なの? お母さんが心配するよ」
と言っても、
「大丈夫」
と答えます。
とうとう、住宅街を出てしまいました。
田んぼの中を500メートルくらい歩いて、だんだん私の家が近づいて来ます。
でも、その女の子は帰ってくれません。
勝手について来られたのだけど、誘拐と間違われたらどうしようとか、私の家までついて来て、家を覚えられちゃったらどうしようとか考えました。
時間も4時半を過ぎ、日暮れも近いし、私の家の前で帰ってくれたとしても、その帰り道に何かあったら嫌だな、とも考えました。
いよいよ困ったとき、お友達わんこのレオくんが散歩しているのを見つけました。
レオくんの家は、女の子が住んでいると思われる住宅街の、外れの方にあります。
「あのわんこは、あなたの家の近くのわんこだから、あのわんこについておうちに帰りなさい」
と言ったら、「わかった」と言って、レオくんの方へ走って行きました。
犬を連れた人なら、誰でも良かったのでしょうか。
このときレオくんを連れていたのが、珍しくおじいさんだったし、ちょっと離れていたので、女の子についての説明もできませんでした。
おじいさんはおじいさんで、知らない子供について来られて困ったかもしれません。
押し付けてしまって申し訳ないとは思いますが、そうでもしないと帰ってくれそうになかったので、私は助かりました。
犬を連れて散歩するおばちゃんは、世の中で一番安全な人間の部類に入るかもしれません。
それでも知らない大人に、しかもまだ6歳くらいにしか見えない女の子が付いて行くのは危険だと思います。
誘拐したと誤解されるのも怖いですが、帰り道で本当に誘拐されたとか、事故に遭ったなんてことがあったらどうしようと、そういう意味でも怖くなります。
知らない人について行ったらダメって、しっかり教えてほしいです。