昨年初めて、年賀状ハラスメントという言葉を聞いた。

 家族の写真や、子供の写真の年賀状を送ることで、結婚したくても結婚できない人や、子供が欲しくてもできない人が苦痛を感じる、ハラスメントになる、ということなのだろう。
 子供の写真が載っている年賀状と載っていない年賀状、2通り作って、相手によって使い分けている、という人もいるようだ。

 そういう意味では、私は子供が欲しくてもできなかったので、ハラスメントを受ける側だ。
 だけど、結婚自体は早かったので、結婚して初めての年賀状は、結婚式のときに撮った写真で送った。
 この場合は、ハラスメントをする側だろう。
 
 ただ、時代的に「写真入りの年賀状を作れる」ようになり、結婚したとき、子供が産まれたときは、写真入りの年賀状を送るのが当たり前、という風潮があった。
 あの当時は、写真屋さんに写真を持ち込み、住所などはリスフィルムを作って印刷してもらうので、人によって使い分ける、というのも現実的ではなかった。
 
 そういう社会背景もあってか、友人から子供の写真入り年賀状が届いても、私自身はハラスメントだ、などと感じたことはない。
 もっとも、あの当時はハラスメントという言葉さえ使われていなかったのだが。
 
 ただ、産まれたばかりの赤ちゃんの写真の横に、
「ゆいは赤ちゃんまだ?」
 とか書いてあると、
「じゃかあしいわ
ムキー
 と思ったけどね。
 
 あと、友人に出産祝いを送ったら、そのお返しに来たのが、
「赤ちゃんのどアップ写真で作った年間カレンダー」
!!
 だったとき。
 あーれーはーねーぇ?
 
「浮かれてんの? よその子の写真見て、カレンダーにして欲しいわ
ピンクハート なんて、誰が思うんだよムカムカ
 というか、私が子供できないの、知ってるはずだよね!?
 って思ったよねぇ?
 
 
 
 ちなみに私は、これまたハラスメントになるのかもしれないんだけど、パソコンで犬の写真にセリフを入れた感じで年賀状を作った。

 で、昨年のランチのとき、りなちゃんちの柴犬ちゃんが、高齢なのと心臓の病気とで、かなり容態が悪くなっていると聞いていたので、
「もしかしてこの3ヶ月の間に、柴犬ちゃん、亡くなっちゃったかも
ショボーン
 りなちゃんには、この年賀状は出せねぇあせる
 と思ったから、りなちゃん用に犬の写真が入ってないのも作り、あえて犬の話題は書かないようにした。
 
 りなちゃんからの年賀状には、
「だんだん様子が悪くなっていくのを見ているのが辛いです」
 と書いてあったので、
「良かった、まだ亡くなってなかったんだ。
 あああ、りなちゃんには来年も、犬の写真の年賀状は出せない汗
 また2種類作らなきゃ」
 と思った。
 
 これは、たまたまりなちゃんと会って、話を聞いていたからできたこと。
 知らずにいたら、何も考えずに犬の写真入りの年賀状を送っていただろう。
 そうやって考えると、ハラスメントもホント、難しい。