台本は何十本書いても毎回必ず行き詰まる。
そのたびに「もしかしたら完成しないかも!」と思う。
完成しなかったら上演ができない。
いろいろ準備を進めていたことも全部ご破算になる。
「書けない」ってのは、まさにヤバい問題だ。

僕の場合、何はともあれフミに読んでもらう。
誰よりも僕の作品や演出を熟知している上に、頭が切れるのでかなり繊細な部分までしっかりと理解しようとしてくれる。
かといって、アドバイスをもらうわけでもない。反応を見て、疑問点や感想を聞くのだ。
自分的に、微妙な描写をした箇所は必ず「?」な反応がある。
「バレたか…」って思う。
台本を読んだり、舞台を観た人に、「思い」や「説明」をしても仕方ない。
たとえば指摘を受けた時、心がバキッと折れる事がしばしばあるが、そこで僕はすぐに感情的になってしまい「一生懸命書いたのに」と思ってしまう上に顔にも出る。
だけどそんなもん、観にきてくれるお客さんの事を考えたら、どうだって良いことなのだ。
一生懸命書くのは当然だし、成果を出せないのは自分自身だからだ。
「やるんだ!」と決めたのであれば、その一点に集中して何度でも書き直せばいい。
何度でも、何度でもだ。
正直言うとほぼ毎回、一本決定稿を出すために、40ページくらいの話を3~5回丸々書き直す。
一昨年のロストチャイルドは、8回くらい違う話になってしまった。
非常に効率の悪い人間だと自分でも思う。
だけど、気づいてくる。
最終的にはお客さんに観てもらうわけだけど、まず自分はどうなんだと。
オレはこの作品納得しているのかと。
ダメなら書き直せばいい。
何度でも、何度でも。

そして出た結果が実力だ。


最近、こう思うようになっている。
「一回ダメなの書かないと、いいのが書けないな」と。





今現在、強烈に苦しみながら(笑)



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