こんにちは、にっぽん。
僕は、まだフィリピンにいる。僕は、世界一周がしたくて旅に出た。僕は、たくさんの国をまわる中で、たくさんの人に出会い、たくさんの貴重な経験をし、それを日本に帰ってから存分に還元し、立派な大人になるつもりだったが、それもなかなか簡単なものじゃないということがわかってきた。僕は、まだフィリピンにいるのだ。明日で、世界一周出発から1ヶ月が経過するというのに、僕は、宿を一回も変えていない。フィリピンの首都の変な名前の空港から、タクシー運転手に連れられてきた、ピンク色した変なマンション宿だ。そこで、僕は一人の日本人と出会い、世界一周後初めての出会いということもあり、やたらと仲良くなってしまったのだが、彼は、僕に世界一周の情報をなにひとつくれず、ただ、毎日毎日、僕をプールに連れて行く。ピンク色した変な宿には、プールがついているのだ。そこは、屋上というわけでもないのだが、マンションでありながら屋外で、プールサイドには、食事ができるテーブルなども備え付けてあり、事実、そこに泊まっている欧米人などは、よく旅人同士でビールを飲みながら、ひたすらプールで泳ぎまくる謎の日本人2人組を見ているのだ。
朝、目を覚ますと、たいてい8時くらいで、同じ部屋で寝ている欧米人たちは、出発の準備なんかで慌ただしそうにしていることもある。そんなとき僕は、
せっかく人生の夏休みなんだから、朝くらいのんびり寝るか、
と、二度寝することにしている。出発前から、世界一周中は、必ず二度寝をしようと決めていたからだ。
10時、ヤツがやってくる。仮にヤツのことを、ここでは「河童」と呼ぶことにしよう。
河童は、海パン一丁で僕のドミトリーへ入ってきて、まっすぐ僕のベッドに近づいてきて、
行くぞ
と言う。手には、タオルとゴーグルを持っているだけ。僕もそう言われると、干してある海パンに着替えて、河童とプールへ行き、日が沈むまでひたすら泳ぎ続ける。
日が沈むと、河童はプールを出て、夜の街へと向かうらしい。僕は、お金もないし、宿の近くの食堂で食事をして、帰って寝る。次の日の10時に、河童がまた海パン一丁で迎えにくるまで、誰ともしゃべらず、どこにも行かず、ただ、河童との水泳で疲れた体を横たえて、明日の水泳に備えている。
こんなことを書きたいわけじゃなかった。綺麗な写真とか、出会った人と別れて、また出会うみたいなストーリーとか、そんなものが書きたかったのに、なんなんだこのブログは。
ありがたいことに、先日、僕のブログに初めてのコメントがあり、僕は嬉しくなって、プールの中で河童にも話したのだが、
危ない、スパム詐欺かもしれん、関わらないようにしろ。
と言われたので、言うとおりにしている。
とにかく、このブログを河童が読んでいないことを祈って、また明日の水泳に備えたいと思う。
僕が一番行きたい国は、スイスです。フィリピンではありません。