ふと周りを見回した。
〝 人が居ない 〟
そう、誰も見当たらない。
最悪なことが脳内を過ぎる。
残りは俺らだけでこれは最後の一人になるまで終わらないのではないのだろうか。
そんな事ある筈がないって思いたかった、思いたかったけど
俺の仮説は、どうやら本当だったらしい。
「 人が....居ないですね 」
「 そりゃあそうでしょうね 僕たちしか残ってないんだから 」
「 でもこれは、一人になるまで終わらない、そうでしょ? 」
「 そうみたいだな 」
このメンバーで、此処にいる仲間で殺しあいをするのだろうか。
そんなの、無理な話だ。
でも、終わらない、結局、全員が死ぬ.....。
そうしたら、それなら私がっ......。
「 ぁぉっ.....ぃぁぁんっ.....!! 」
もう声が出ない喉で、必死に声を出そうとする。そして注目を浴びる。
私は笑顔で、手話で話した。
もう、こうするしかない。
『 デスゲームをはじめたのは、この私です。 』
真っ赤な嘘だった。嘘を、しかも大切な皆についてしまった。
皆は、驚いたような顔をして、私を見ている。
なぜ、こんな嘘を付かなきゃいけないんだろう.
そう思うと、無償に涙が出てくる。
私はまた、嘘を並べ続ける。
『 運営しているのは私の他にも居ます。でも、主犯核は私です。だから私が指令すればゲームは必然的に終わる。私が死ねば、終わるんです。 』
涙を流しながら、笑顔で続けた。
信じられない、という表情で私を見つめる、皆さんの姿。
『 だから、私を殺してください。そうすれば、終わるんですよ?このゲームが。ですから... 』
そんな嘘を並べる。
もっと、笑いたかった。話したかった、皆さんと一緒に居たかった。
そんな思いを遮ったのは、皆の声だった。
「 そんなの、嘘に決まってるよ....!! 」
『 残念ですが、嘘じゃないんです 』
「 信じないよ、僕はそんなの。 」
『 信じてください、全部本当なんです。 』
「 お前....何でそんな事... 」
『 仕方がなかったんです。 』
『 だから皆さん、殺してください。でなければ、皆さん死んでしまいます。 』
「 じゃあ、殺せば良いじゃんか。こいつがこう言ってるんだ。 」
それは、天也くんの言葉。
その一言で、皆の瞳は変わった。
「 天也!!!!なんて事言うんだよ!! 」
「 ちょっと...!栞ちゃんはそんな子じゃないこと、分かってるでしょ!? 」
「 そんなヤツじゃない、だからこそ、嘘はつけないんじゃないか?
俺だって、こんなこと言いたくないんだよ....!!! 」
涙が溢れ出た。こんなにも、思ってくれる友達が居るなんて。
私は最後まで、最後まで幸せな人間なんですね。
『 さぁ早く!!時間がありません....。お別れです、皆さん 』
最後まで、私は幸せだった。大好きだった、友達に思ってもらえて。
もう、悔いはない。
今死んでも、もう心残りはない。
「 ...........本当は、こんな事したくないけど。 」
そう言って、ナイフを取ったのは、涼音先輩だった。
「 栞ちゃん、分かる?この気持ち。信じてて、大好きで、ずっと一緒だった仲間に裏切られて、今この手で命を絶つ気持ちが。
何でこんな事したのよ。ねぇっ....何でっ.... 」
嗚咽が混じった声で、震えた手で、ナイフを私に向けた。
刃先は近づいてきて、もうすぐ刺さる距離だ。
「 ..........ばいばい、栞ちゃん 」
グサッ
鮮やかに流れ出る血。最後まで笑顔でいれたかな。
最後の力を振り絞り、手話をする。
『 すみません、私は嘘を付きました。私は、このゲームを始めたりしていません。
終わらせるには、こうするしか無かったんです。こんな私を許してください。
さようなら、大好きでした。 』
パタリ
倒れる音。流れ出る紅。
これで、これで良かったんだ。私は、心から、胸を張ってそう言える。
さよなら、皆さん。
――――――――――――
ハイ。どうでしたでしょうか。デスゲーム、最後のトラゲティです。
栞ちゃんの死によって、ゲームはどう左右だれるのか。
そしてクライマックスは!?
また次回、頑張ります笑
感想、アドバイスお願いします。
蒼井 らな.