理佐side





放課後。


風と一緒に聞こえてくる音。


毎日ピアノを弾くあの子。




私は、君に恋をした。













ねるside





音楽室にまで届く大きな声。


ボールを拾いに近づいて来るあの子。


窓越しに合う視線。





私は、君に恋をした。












風が心地よくて窓を開けていた。


いつもよりよく聞こえる、ボールがラケットに当たる音。


あの子の声。



君を想って弾いているこの音は、君には届いていますか?



...なんてね。










少し休憩しよう。


あの子の姿を探すため、窓の外に目を移したとき、
テニスボールが飛んできた。


窓から入ってきたボールは、反対側の壁に当たって足もとに転がってきた。





それを拾い上げて、どうしようかと思っていると、息を切らした君が窓を叩いた。



“ あっちの窓開いてるよ ”

伝える前に君は気づいたみたいで、
私の1番近くの窓から顔をのぞかせた。








理佐 「ごめんなさい!!大丈夫ですか?!当たってないですか??」



あまりに慌てる君が可笑しくて、
少し笑ってみせると一瞬、不思議そうな顔をした。



ねる 「大丈夫です!当たってないです!」


理佐 「よかったぁ...ピアノも傷ついてないですか?」


ねる 「はい みんな無事です!笑」




理佐 「綺麗な音ですよね いつも聞こえてます!楽器やったことないから、専門的なことはわからないけど...すごく好きです!」


ねる 「えっ、ありがとうございます...!」


理佐 「練習がんばってください!!」






届いていたことに驚いて、嬉しくて、、


ふわふわした気持ちのままで、憧れの背中を見送った。








“ 部活、がんばってください!”



言えなかった言葉と、伝えられないこのドキドキは、このピアノに乗せて...














終わり