1人の青年が布団を捲って眠っている少年のの耳元で大声を出す
 「リンク起きろ!!何時だと思ってんだてめぇは!」
 「・・・・・・もう少し寝ていろと神のお告げが・・・」
そう言い残すとリンクと呼ばれる少年は布団の中に潜っていく
 「あーそうかいそうかい・・・」
青年が声のトーンを落として言うとリンクは飛び起きて土下座をする
 「ごめんなさい起きました!起きましたから命だけは・・・」
 「神のお告げはどうするんだ?」
 「聞こえてないです」
2人の会話を遠くで聞いていた女性がニコニコと微笑みながら2人の元に近づいてきた
 「朝から漫才繰り広げて・・・ロイリンクも楽しそうね」 
 「シーラも何か言ってやれ!」
ロイがそう言うとシーラと呼ばれる女性はリンクの顔をじっと見つめる
 「・・・朝ごはん抜きね」
 「酷いって~そりゃないよ~」
すると声を揃えながら少年と少女が階段を下ってくる
 「起きないリンクが悪いんだよ」
 「うるせぇ一卵性双生児」
双子はリンクを無視し言葉を続ける。声を揃えて
 「誰かリーファ知らない??」
 「一昨日から帰ってきてないわよ」
シーラがそういうとみんなが頷く
 「何かあったんじゃなければいいけどな」
リンクがベットから降りて言うと双子は心配そうにまた声を揃える
 「またどこか行ってるのかな」
 「そういやユーリイルクの姿も見えないな」
そのときだった
ドゴンッ
部屋中に耳障りな音が響き渡る
 「今すごい音鳴ったね~」
双子が顔を見合わせて笑う
 「何の音かしら?」
シーラは屋上へ続く階段に向かう
 「・・・あいつらだろ?どうせ」
ロイは呆れたような顔をして呟く
しばらくしてシーラは扉から出てきた
 「どうだった?」
リンクが問いかけるとシーラ
 「何もなかったわ」
扉から2人青年が姿を現し階段を下ってくる
 「お前のせいだからな!イルクが途中で・・・」
 「あーはいはい、俺が悪かったよ」
イルクと呼ばれる青年は隣の青年の言葉をさえぎって話を続ける
 「にしてもシーラ、お前はどことなく酷いな」
 「そうかしら?普通なら屋上から突き落としてるわよ」
 「シーラ怖~い」
双子が声を揃えて大袈裟に叫ぶ
そのとき部屋中に屋上の扉を乱暴に開く音が響き渡った
 「リーファだ!!」
また双子が満面の笑みで叫び階段を駆け上がっていく
 「一卵性双生児うるせぇぞ」
リンクが双子に負けじと声を張り上げて叫ぶ
 「ガキかよ」
今までイルクと言い争っていた、というよりイルクを責め続けていた青年がリンクに向かって言う
 「何でそこまで嫌うんだよ」
 「だってあいつら2人揃って俺をバカにするんだぜ?」
ロイリンクの顔を見ると大きな溜息をつく
するとリーファと呼ばれる少年が扉から姿を現した
横には双子がベッタリとくっついている
 「おかえりリーファ
 「どこ行ってたんだ?夜も帰ってこないで」
シーラロイリーファに近づいていく
 「・・・・・・・・・・・・仕事」
長い沈黙のあとにリーファが発した言葉で全員が立ち上がりリーファを見た
 「何で!?今は休暇中でしょ??」
 「それに・・・どうしてリーファだけ?」
そのときリーファの体が揺らめいた
辛うじて壁に手をついて体を支えたがよく見ると顔色が相当悪かった
 「リーファ・・・今日は休んでろ」
 「・・・・・大丈夫だから」
そう言い残すとキッチンの方に歩いていった
少年たちは空を飛んでいた
空に浮かぶ満月は見事な輝きを放ち
ほんの少しだけ彼の冷え切った心を癒してくれる
彼の心が冷え切っているのには理由があった
うっすらと見える希望の光を信じ続けて戦ってきた
信じる―――それが無意味のないことだと知りつつも・・・
結局希望の光には辿りつけなかった
それでも・・・信じることをやめない
信じることをそこでやめてしまったら
・・・自分を見失ってしまいそうで
自分が自分でなくなってしまいそうで・・・
――今同じ運命を背負った8人の物語が始まる――