99●「苦海浄土」と「水俣 患者さんとその世界」 | マダムXの個人的音楽遺産 ときどき映画と本

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「マダムXの個人的音楽遺産 ときどき映画と本」というタイトルの通り、自分が聞いてきた・見てきた・読んできたもので子ども世代に伝えたいオールタイムベストの音楽・映画・本のメモです。

今年前半に読んだ
一番美しく哀しく恐ろしい本は
これでした

ポスト311を生きるわたしたち
日本の未来への予言のようで戦慄しました。
苦海浄土 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)/河出書房新社
¥4,305
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池澤夏樹さんの個人編集のシリーズです。
装丁がとってもきれいな色。
オビははずしたほうが好みかも・・・。

夢中になって一気に読んでしまった・・・
そして知らなかったことを恥じた。

作者・石牟礼道子さんの才能に深く敬服しました。
水俣の海はきっと風光明媚なところなのだと思いますが・・・
なんだかとてもシャーマニックなかんじです・・・・。
海も天も椿の花も、魚も人も・・・なんだか一緒になっているんです

で、今日、土本典昭監督のドキュメンタリー
「水俣 患者さんとその世界」のDVDを見たんですが
この中に石牟礼道子さんがちらっと登場するのです。
水俣病患者の少年と一緒に野球をする場面があり、とくに
映画では特に説明はないのですが
「あ、これは」と思ったんです。
というのは、「苦海浄土」に、この少年の話が登場するので。

石牟礼さんの声は甲高くて、おばちゃんでした。

おばちゃんこそが世界を変える・・・

私は確信したのでした。