2023/12/15

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冬の陽は淡く朧げに
そして曖昧に
景色を暈し心も霞ませる
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夏の陽のようにズカズカと
入り込まず
自己中心では無いけれど
いつの間にか
真綿のように覆い包まれ
その心地良さから
逃れられなくなる
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それもまた生きてゆくうえで
佳きなのか?
悪しきなのか?
………
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あたしの故郷は神奈川の宿場町
【東海道五拾三次】 江戸〜京都487.8km
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お江戸日本橋から品川・川崎
三番目【神奈川の宿】
随所に神社仏閣が
都会の
ド真ん中に点在している
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あたしは23歳の時に
ふた親の墓を横浜駅から徒歩5分
青木橋に建立した
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高台の台町は色街
三味の音と舞
長唄・常磐津・都々逸を
子守唄に育つ
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他人祖母は
あたしを跡取りにとの
気持ちを
他人祖父や産みのふた親に
言い出せず
置き屋を実妹に譲った
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現在は宿場町の面影は
無くなり
それを知る人も少なくなっている
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あたしは何故あれ程までに

母に辛く当たり赦せなかったのか?

それは若さゆえの

潔癖と傲慢さだったのだろう

自分の正義や主義主張を

押し付け

人に寄り添う事を知らなかった

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あたしは昭和のド真ん中に
生まれた
諸事情から乳児院に預けられ
他人に慈しまれたが
幼き頃から不条理と理不尽を
感じて生きてきた
然し乍ら
誰も恨む事もなく育ったのは
育てられたように
育ったのだと感謝している
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もろ手を拡げヨコハマの

景色を

この手に入れる寒い朝

全ての出来事が…

胸を掻きむしった日々が…

遥か

彼方に霞んでくる

そして

その遥か彼方には

あたしを

慈しみ愛し育ててくれた

他人祖父母が父が母が

未だ

見守っているのだ

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そう想えるだけで

生きている意味があり

感謝の心が湧く

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朧になりながら霞みながら

歳月を重ねる

ミルフィーユの日々

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これからも更に更に

重ねてゆく

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🔷All of you🔷

父は霜月

母は師走

命日が共に近く自分史を毎年

見つめ直している

そして今年も新たな

気づきや思い出しが有った

それは

お手元メガネ

ふた親は

去るには余りに若過ぎ

老眼鏡が不要だったのだ

今あたしは

鼻パットの跡を気にしながら

掛けている

それは…幸せの跡と

ほんのすこし

想えた

日々は愛おしく日々は奇跡

今日ある日に

《感謝》

♡とうこ♡