2022/01/15
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ひとしきり食器も洗い水道の蛇口を締める
店内の音楽CDも最後の曲が終わった
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智子さんとあたしは…それぞれの思いを
ひとつひとつ手繰り寄せるように
不思議な沈黙の空間を漂っていた
…
そして…智子さんは
誰に言うのでもなく語り始めた
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数年後に弟が産まれたの
暫くは幸せな家族関係だったのに
継父が単身赴任中に博打と男によろけて
結局は離婚となったの
継父は私を引き取りたいと言ってくれた
でも親戚達が継父の子では無いと反対
結局…母と二人になったの
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それからは団地住まいをして
母も働き私もバイト漸く高校を卒業して
就職の保証人を
お願いに継父に会いにいったの
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既に再婚していて障子の向こうに
背の高い男の子が居たの
弟だ❗️会いたい❗️
でも言い出せなかったわ
でもきっと会えるとその時思ったの
そして瑛子の成人式の少し前に
会いにきてくれたの
…
継父も私の夫や義父母にも会ってくれた
もちろん実父としてネ
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智子さんは悪戯っぽく笑った
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智子さんは実父は捜さないと言う
そして…この事実も生涯
夫や娘にも明かさず墓場まで持ってゆくと
言った
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特別養子縁組により子を迎えた姪がいる
諸事情ありその姪とあたしには血の繋がりは無い
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一度も会う事なく数年が過ぎているが
幸せに子育てをしている事だろう
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あたしは昭和のど真ん中に産まれ
ある事情から乳児院に預けられた
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2歳まで出生届も戸籍もなく
存在していない存在だった
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そして乳飲み子のあたしは
港湾のドンに(他人祖父)引き取られ
その人の左褄あがりのお妾さんと
(他人祖母)本家の(他人祖母)に
慈しまれ育てられた
…
普段は本家に暮らし他人祖父が
他人祖母の家に行く時にお迎えが来る
…
その車に他人祖母は乗っているが
本家の他人祖母は玄関口まであたしを見送り
決して坂下の車までは来なかった
*他人祖父・他人祖母*とうこの造語です*
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そして…後に産みのふた親に引き取られる
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父は…親父と呼ばれ
母は…姐さんと呼ばれた
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荒くれな連中を率いる…父
荒くれな連中を束ねる…母
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高度成長期【金の卵】として就職後
挫折した若者を若い衆として雇う父
何も言わない母
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ご飯の上に生卵をおとし
食べな…今日からウチの子だ…と
言い…そのまま…子飼いとした
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血の縁
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血の絆
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同じ屋根の下に暮し
同じ…釜の飯を食べ
同じ…湯船に浸かる
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そんな当たり前の生活を
共にしていれば仕草や顔も似てくる
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それが家族なのではないだろうか
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🔷All of you🔷
♡
*18歳の成人*
金融機関が新しい人類枠として
取り込もうとしている
株や仮想通貨etc今や当たり前なのだろうが
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昭和いにしえ人は一生懸命に働き
コツコツと貯めてきた
そして一攫千金より分相応の幸せを求めた
♡
果たして18歳に全責任を負えるほど
彼等は大人だろうか?
♡
自分の不始末を拭い
自分の人生を生きてゆけるのだろうか?
その人々の親も未だ未だ若い
♡
共倒れにならない事を
昭和いにしえ人
《祈》
日々は愛おしく
日々は奇跡
《感謝》
♡とうこ♡
♡
あっ🤭だいすきひと
♡
風もなく暖かい一日
お仕事が捗りますように
♡