2021/03/09

軽く降る雨が
生暖かい空気を運んできた
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曇りながら
晴れながら
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暖くなりながら
寒くなりながら
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季節は移ろうのだろう
どの日も歓迎しよう
横浜山手の空
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元夫の実家は明治元年に建てられた
その家の真ん中には
ひと抱え以上はある大黒柱があり
年月を超え黒光りしていた
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生業は本牧の埋め立て地の手前に
それなりの地所を持ち
借地として貸していた
また…アメリカ軍接収地も所有していて
其処は防衛庁から地代が支払われていた
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戦後は自宅の離れを米軍の将校に貸し
外国製品に溢れていたと聴いた
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義母は所謂…一人娘
山手の某女学校に馬車で通い
目黒のドレメでは元町信○屋さんの
跡取り娘と友となるが
義父を挟んで
恋敵ともなり
敗れた信○屋さんは終生独身を通した
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義父は苦学生ながらも
H大学から学徒出陣
海軍大尉となり
終戦は硫黄島と聴く
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戦前に元夫の上にも長兄がいたが
結核で亡くし事実上は元夫が
跡取り息子だった
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元夫は若い頃から母を泣かせたとの
思いから
とにかく離婚は秘密にしたいと言う
実際は便宜上…再入籍しているので
夫婦なのは嘘では無い
しかし…いつ提出しても良いように
離婚届
お互いの署名捺印はしていた
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恒例…元旦の12時
長机の上には…お節が並び
お屠蘇の盃が配られる
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あ〜ら…お姉ちゃん遅いわね!と
エプロンを付け嫁風に動いてる
実妹が居た
また昨夜も遅かったの?
顔色も色艶ないけれど
どこか悪いの?
相変わらず棘ある言葉を吐く子と
あたしは…憐れみの視線を向けた
あら!あなたこそ一族でも無いのに
元旦早々に甲斐甲斐しいわね…と
応酬した
ええ…こちらのお義父さまから
お誘いを受けたのよ…と
その険悪な様子に
さあ早く席に着きなさい…と
義父が割って入ってきた
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年子の実妹は幼い頃から
総領娘のあたしと比べられ成長してきた
それゆえか長じてからは
あたしに対する敵対心
剥き出しにしてきた
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実妹は関内で小料理屋の女将をしている
客あしらいが上手い実妹は
店も中々繁盛している様子らしい
面倒を見てくれる人もいるようで
我が世の春鼻息が荒く
いつでも…あたしに戦闘モードだ
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その日も本来なら
お義兄さんと呼ぶべき所を
一族の前で愛称で呼ぶ
あたしは…聴こえぬふりをして
席に着いた
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恒例の行事もそろそろ
面倒になった
あたしは…帰り支度を兼ねながら
台所の片付けをしようと席を立つ
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既に換気扇の下でタバコを吸う
実妹がいた
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あら…お姉ちゃんお帰りかしら…と
煙を吐きだす実妹
あたしは…その毒入言葉より
これ見よがしに
ステンレス台に置かれた
カルティエの小物入れと
其処に付けている
スワロフスキーの飾りに
釘付けになった
♦️
その視線に気づいた実妹は
腕組みをしながら
お義兄さんから貰ったのよ…と
挑むように
あたしに
告げた
♦️
あいする♡みなさま
とうこは…
啓蟄が来ると
インテリア好きの虫が
蠢く
ヨイ便利品を買ったの
なかなか
優秀品
近々…アップする
みんなの
♡愛♡
背中に背負ってるから
カメさん🐢のように
ゆっくり
ノロノロ
動いたから
安心して
🔶992🔶
《感謝》
♡とうこ♡