2018/12/04


2018年は…災害の多い年だった…

美しい都…京都…無残に倒れる杉も多く見た…

しかしながら…京都の紅色は…虹色に輝き…

しなやかに…たおやかな姿を魅せる… 



美しい…紅色…



あたし・は…無粋なチャイムの音に苛立ち…

黒ゴムを珈琲カップに落としてしまった…

誰だろう?…此処は…元夫T以外…

誰も招き入れた事が無い…それは…慰謝料と称して

元夫Tが購入してくれた事への礼儀…

バブル真っ最中の横浜駅側…最上階…

値段を聞くのも…恐ろしい(笑)

元夫Tとは…あたし・が…丸清に戻り…

笠家との…お約束…週一の接見日…

山下公園…老舗イタリアンの店だった…

その日は…おお爺ちゃんに…おねだりした…

フクゾウさん…襟の広い…生成りコートを

買ってもらい…大好きなカルボナーラを頬ばり…

ついつい…食べながら…お喋りをしてしまった…

案の定…行儀に厳しい…笠家の他人母に…

腿を叩かれた…ウキウキしていた…

あたし・は…不意を突かれ…

頬張った…パスタをテーブルに…

噴き出してしまった…

そこへ…音も立てずに近寄り…

あっという間に…ダスターでテーブルを

拭いた支配人…それが…

元夫Tとの出会いだった…

おお爺ちゃんは…以前から顔見知りらしく…

ありがとう…いつまで修行をするつもりかな?

と…話しかけた…どうやら…おお爺ちゃんは…

元夫Tの父親とH大学の同窓生…

そして…Tの父親は…学徒出陣をして

海軍大尉まで昇進した人と…

おお爺ちゃんは誉めていた…

しかしながら…元夫Tは…可なりな…

放蕩息子らしく…親の知り合いの店に…

修行に出された様子だった…

色が浅黒く…彫りの深い影のある顔立ち…

トーンの低い声…あたし・より…10歳年上… 

大人の魅力…たっぷりな人…

でも…あたし・には…

大好きな…彼がいる…
 
《続》