暴れ馬事件とは、有責性における学説・期待可能性が認められる端緒となった事件である。

 


あるところに馬車の御者と悪い癖を持った暴れ馬がいた。馬車の御者はこの暴れ馬の悪癖を恐れ、いつか事件になるのではないかと考え、雇い主に他の馬と交換するようにと再三に渡って忠告した。しかし、雇い主はこの忠告を聞かず、暴れ馬を使役し続ける旨と、逆に御者がこの命令に従わないなら解雇すると命令した。他に職をみつけられない御者は仕方なく暴れ馬を使役し続け、ある日通行人に怪我をさせた。


御者は裁判にかけられたが、「職を失ってまで雇い主の命令に背くことは期待できない」として無罪とされた。




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