
見上げれば、葉桜。
すこしずつ季節は移ろい、
優しく、時に激しく降る雨にも
日々を数えるまなざしがあるようだ。
グレイがかった空。
駅に向かうその日は、雨が降っていた。
ゆっくりと歩く私の視界の端に、ひとりの女性が映った。
左手に傘、右手に白ねぎ、フードのついた上着の左ポケットにペットボトルの頭がのぞく。
急いでいるようで、表情は硬く、まっすぐ前を向いている。
人は、右手、左手、両手というものを持ち、
ポケットという 不思議で便利な入れ物を開発した。
天から降り注ぐものから身を守る頑丈な傘も。
傘と白ねぎとペットボトルの三位一体。
濡れない、空かない、乾かない。
これらが、彼女の今日一日を守るのだろう。
さぁ、新しい明日へ向けて。
がっしりと素手に握られた白ねぎは、まるで剣のように神々しい。
彼女は、キラリと鋭い眼を光らせ、白ねぎを掲げる女神。
先の見えない物価上昇、荒波は続く。
だが、世界をあきらめるわけにはいかない。
揺るぎない生存へ向けて戦いを挑んでいく。
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