ちょっとお休みしていたYouTube動画
「おもてなし必須55フレーズ」を再開しました。
なんでメキシコ人に扮しているかというと
素顔でYouTubeに出るのが気恥ずかしかったことのほかに
父の思い出があります。
父は商社マンでイギリスとアメリカにそれぞれ数年駐在していたので、
父が英語を話しても、うちの家族は「別に〜普通だよね〜」という感じでした。
ところが、ある日、近所にオープンしたメキシコ料理店に家族で食事に行くことに。
そこには、ソンブレロをかぶったメキシコ人のギタリストが生演奏をしていました。
母が「あなた大学でスペイン語を専攻したのだから、
せっかくだから何か話してみなさいよ」と父に提案。
そっか、と提案に乗った父はギタリストと楽しく談笑をして、
Besame mucho.をリクエストした。
スペイン語という理解不能の未知なる言語をあやつる父を見て、
「親父、かっこいい!」と心の中で叫びました。
父はスペイン語を本当に愛していて、スペイン語を話すとき、
本当に生き生きとして楽しそうだった。
自分の青春と深く結びついた言語だからかな。
僕は、英語→中国語→韓国語の順序で勉強して、
スペイン語を始めたのは一番遅かった。
父にスペイン語を教えてもらおうと、
自分から興味を持って、いろんな質問をした時には
父はもう呆けてしまって、僕の質問には答えられなかった。
父は5年前に他界したけど、
最後に少しだけスペイン語で会話ができた。
昔、「親父、かっこいい!」って思った自分がいた。
今、「お前もかっこいいぞ!」って
父に思ってもらいたい自分がいる。