福島県いわき市平にあるジーンズも売ってる酒屋『酒のしのぶや』3代目店主(仮)の佐藤浩一ですが、3代目としてお店を継ぐことを決めた時に、ディスカウントとしてやっていた業態を方向転換したんですが、正直怖かったって話です。

 

 

なんで方向転換?

方向転換をしたいと思った時に色々話し合いをしたんですけど、僕の中では考えは決まっていました。

 

脱ディスカウント


僕が店に戻った時点で年商2億7千万と当時の酒屋さんとしては優良店だったと思います。

年商だけを見ればですけどね。

蓋を開けてみれば粗利は数%でした。

このままじゃダメだと考え脱ディスカウントを目指そうと思ったんです。

 

その時に出た内容で【ディスカウント商品を買いに来てくださるお客様は、方向転換後は来ていただけなくなるだろう】という事でした。

安売りをやめる=売り上げが減る

これは本当に怖かった。
売り上げが上がらないから更に売り上げを上げる方法をとるのが当然なのに、僕がやろうとしていた事は《売り上げを捨てる事》と同じなんじゃないかって。
売り上げを捨ててまで、今やらなきゃいけない事なのかって。
商売として売り上げを捨てるという事は、大袈裟かもしれませんが自殺行為と同じ事なんだって。

 

でもやるしかなかった

それでも自分でやりたい事があったし、方向転換をしなければこの先酒屋としてやっていけないんだって思ったんです。
そりゃ不安と怖さしかなかったですよ。
だって僕の考えで失敗したらおばあちゃんが始めたお店がなくなっちゃうんですからね。

だけどB型の特徴だってなにかで読んで奥さんも凄く共感してたんですけど【根拠のない自信】って言うんですか?
僕の得意技なんです。

それ(笑)

奥さんにもよく言われてました。
『その自信はどっからくるの?』って。
自分でもわかりません。
でも、やれる気がしたんです。

本格焼酎に力を入れ始めた時も、全然売れない商品を大量に抱えてましたけど、絶対に売れるって根拠の無い自信に満ち溢れてました。

表向きはですが。

そりゃ怖かったし不安しかなかったけど『やるしかなかった』んですよ。
やらなきゃお店の存続自体に危機感を感じてたから。

僕の中では変えないで辞めてしまうよりも、変えて失敗の方がカッコいいかなって。

初代の頃から地元の人達の何でも屋的な感じでやってまして、その頃からの古いお客様も多くいらっしゃいまして、当時は雑貨とかもやってたんですがほとんどが自家消費。
そこも減らしました。
近所のおじちゃんとかおばちゃんとかに『ここで買えないと遠くまで行かないとなんないから大変なんだよね』って言われるような物は少しは残しましたが、基本的には酒専門店に路線変更したかったので、丁寧にご説明して理解していただいて謝って。

だから、震災前は酒専門店みたいになってきてるけど、ちょっとだけ雑貨なんかもありディスカウント商品も少しは残ってたお店でした。

まぁ今震災にあって理想のスタイルにできたので、それはそれでよかったかと思っています。
私が方向転換したのが成功だったか失敗だったかは、環境が変わってしまったのでわかりませんが、これからはこのスタイルでやっていければと思っています。