なおしたいわけじゃない

けど

なおしたほうがいい

けど

なおら、な、い



そんなことをどうしろというの。
誰も、何も、言わないけど。言わないけど、言ってる、の。


どうしたらいいの、どうしようもない、と自問自答。


女友達と語り合ってた中で生まれた名言(←自画自賛)



1人暮らしは自分のためのボランティアである。

1人暮らしは引き算生活であり、どれだけ何をしないか。



つまり、1人で居ると惰性に負けちゃうということ。

いっそ、もうほんと一息に、
ゴミとしてでも棄ててくれたらいいのに。

そうしたら、化けて出ようと呪い続けようと、私には棄てられた憐れな被害者って言う
究極に自分を庇っていける免罪符が出来るというのに。


どうして、
ただ放置して、
私のことを美しいものとして鑑賞し続けるの。

私は、あなたと一緒なら泥まみれになったっていいのに、
一緒に遊んでくれたら、そのほうがいいのに。


それでも、
私から遊ぼうとは言えない。
そんな権利もないモノの言葉など、鬱陶しいだけだから。
追い掛けられ慣れている人は、
きっと
追いかける方が楽しいのよ。

だって、

めったにないことだから。

S子はそう言ってため息をついた。

俺が、

「S子、誰か追いかけてるの?」

と尋ねると、S子はキッと睨んでからため息をつき、はーぁ、と、わざと言った。

「追いかけて良いのか、迷ってるのよ。」

その声音は、甘く切ない乙女心とかの類ではなく、
怒りとか、呆れとか、不貞腐れた感情をごちゃまぜにして哀しさで割ったような
曇り空の下の雪のような色だった。

S子はネガティブなのかポジティブなのかよくわからない人物である。
発言だけみればポジティブなんじゃないかと思える可能性すらある。

しかし、本人はどう見てもネガティブだ。偏見だと自分に言い聞かせてみてもやはり偏見だけではないネガティブさを持ち合わせているのである。

「他人なんて、嫌い」

そう言ったS子は、自分で言った言葉につくづくといった風体で落胆する。

「でもそう言ってる時点で私は他人を認識しているし、わたし、なんて言ってる時点で、他人を受け入れているんだわ。最低。」

なにが最低なのかよくわからなかった。

「最低って。」

S子の言葉を反芻して失笑すると、S子は俺に視線を向けることも無く付け足した。

「本当は他人なんて嫌い、じゃない、のに、嫌い、とか言ってる自分が、よ。」

わかってるんなら、嫌いじゃない、って言えばいいじゃないか、と言いそうになってやめた。
言えないから、言わないのだ。言ったら、そう、傷付かざるを得ないのだ、色々な場面で。

「いわゆるツンデレ、ってやつ?」

面白おかしく煙に巻こうとした俺の努力を、空気が読めないやつの行動に貶めるかのように、一層機嫌を悪くして睨み付けるという行動で酌んでくれたS子に苦笑する。
そう、ここは、そうして欲しかったんだ。
だから、きっとS子はそうしたのだ。
俺がもっと軽いノリを望んでいれば、きっとS子はそうしただろう。例えば「別にっ、さっきのはちょっと世間体を気にして言ってみただけで、本当の本当は他人なんか全然好きじゃないんだから。」というようにである。だが、俺はS子にそんなセリフを吐いて欲しいなどとは本当に思えなかったのだ。

「S子ってさ、ホント、ガード堅いよ。」

「煩い。」

俺は笑った。S子は図星だったことを否定しないのだ。

ガードが堅い、というのは、別に男に対して、という意味で言ったわけではない。確かにS子はカレシいない暦実年齢で、性行為に及んだこともないらしい。しかし、別に俺もそれが良い悪いという認識はない。ただ、S子には、必要なかったと、そういうことらしかったからだ。

必要じゃなければ必要としないなんて、と考えたことはある。

そして、必要じゃなければ寄せ付けさえもしないことに気づいたのである。

寄せ付けずに、敵視さえすることにも、気づいてしまった。

だから、S子は多くのものに堅いガードを作ってしまうのだ。


俺は、ガードの中にいる。
自惚れのようだが、それはわかる。
なぜなら、S子がそう対応するからだ。
別に俺たちは恋人同士でもなんでもないし、特別何か弱みを握っているわけでもない。

ただ、時間が、許したのだ。

長い時間をかけて、S子の、俺に対する検問が、終わったのだ。


そんなこと、知り合う全員にしていたら、長い人生においてもS子が心許せる相手は両手で数えられてしまいそうだ。

こんなに情報の保護が叫ばれても流出が後を絶たない現代なのだから、
S子の情報もいつの間にか大勢に流出してしまえばいいのに。


本当は、
優しくて、世話焼きで、おしゃべりで、傷付きやすくて弱虫で、寂しがり屋なんだということが
皆にバレてしまえばいいのに。


流行にのっとって、内部告発でもしてしまおうか。

私は誰からも必要とされなくなったら死んじゃうな、

と思っていたが、

どうやらそうでもないみたいだ。









いいんだか、わるいんだか。
嫌い 嫌い

私を愛してない人なんてみんな嫌い、大嫌い




そんなことをおっしゃっても女王様、

それは女王様がその方々を愛していらっしゃるからこそ、

そう思われるのですよ。






私は愛される権利はあるけど愛する義務なんてないんだから。

男は狩りにばかり行って家族に肉を食わせ、女は機織や刺繍で子供らを裕福にしてる。
他にも男は怪我をすれば国で看護し、女が不調になれば皆で心配してる。

私に対する愛情や感謝、尊敬の念なんて忘れてしまったに決まってるわ。




しかし女王様、それらはすべて、女王様が国民のことを想って

おすすめされたものではありませんか。

そして国民たちは新たな展開で幸せになっているではありませんか。






私は、

国民が幸せであればそれでいいわ。

ただ、

忘れるのであれば、私のことを忘れたことをわかっていてほしいだけなのよ。

そしてたまには、私を忘れていたことに、気づいて欲しいだけなのよ。

私は、皆が幸せならば、寂しくたって構わないのよ、私を忘れて、幸せならば。
体調が異常なほどよい気がするのに

精神的になんか病んでる気がする。





病は、気から?
楽しいことは終わると寂しい。

楽しいことは続きすぎると楽しくない。

だけど

やっぱり楽しくないと楽しくない。




自分で自分に満足できない状態で楽しむのは、また難しい。

真面目にしているほうが、比べ物にならないくらい簡単だ。


当面は、恋より友情の方が課題です。

友情って難しい。