連赤スクラップブックは時系列に書き進めているが、「永田洋子死刑囚死亡」のニュースが飛び込んできたので、号外としてお伝えする。2月7日朝刊で一斉に報じられたので、読み比べてみよう。
■朝日新聞 情報が充実
経歴が最も詳しく正確に説明されている。瀬戸内寂静の「とても幼かった」、加藤倫教の「自分たちの中に誤りがあったと認めきっていない」という甘口・辛口のコメントを併記。
■産経新聞 記者のコメントに同感
最後の「病に倒れた永田死刑囚は、人生をどう『総括』したのだろうか」に同感。佐々淳行の「早く死刑死刑執行すべきだった」のコメントを掲載。
■読売新聞 永田のめずらしい写真を掲載
永田のめずらしい写真が掲載されている。加藤倫教と思われる元連合赤軍メンバーの「もっと深く掘り下げてほしかった」というコメントと、永田を自供させた松尾邦弘弁護士(当時検察官)の「普通の人間と同じ」というコメントを掲載。
「12人を殺害したり死なせたりした」という表現ははわかりにくい。確定判決に基づくなら「11人を殺害、1人を傷害で死亡させた」と書いたほうがよかった。障害で死亡させた1人とは、最初の被害者・尾崎充男のことで、裁判では尾崎へのリンチに対しては殺意が認定されなかったため、傷害致死にとどまった。
■共同通信 第一報は「仲間11人を殺害」と報道
第一報では 「仲間11人を殺害」となっていた。誤報かと思った人もいるだろうが、これは確定判決を忠実に記事にしたからであろう。続報では「11人を殺害、1人を傷害で死亡させた」に修正されている。
■毎日新聞 死亡直前の経緯が詳しい
死亡に至る直近の症状が詳しく報じられていいる。
■東京新聞 1面に掲載
1面に掲載された。23面にも「後悔と自己弁護 交錯」の記事がある。植垣康博の「面会してもだれが来たのかわからないほど」というコメントを掲載。
(23面)
■日経新聞 余計なものは一切なし
意見やコメントは一切なく、淡々と事実と経緯だけを報道。
■しんぶん赤旗 要らぬ形容が自らの品格を落とす
書き出しが記事の品格を落としてしまっている。事件当時もこんな感じだった。
■産経新聞(2月9日) 森と永田の資質だけではないと一石を投じる
産経は2月9日になって論説を掲載した。各社の報道をみて、単なるリンチ殺人事件と割り切れない、と一石を投じておくべきだと判断したのではないだろうか。でも、せっかくのいい記事なのに、余白に江田法相の言葉をくっつけたレイアウトはいただけない。抹消しようかと思ったほど。