1972年2月28日 ついに山荘へ突入(あさま山荘事件) |   連合赤軍事件スクラップブック (あさま山荘事件、リンチ殺人事件、新聞記事)

■呼びかけ続けた親たち(朝日)

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連合赤軍事件スクラップブック (あさま山荘事件、リンチ粛清事件)-1972-02-28 朝日 朝刊21



■緊張と祈り 前夜の現地(読売)
A 泰子さんはどんなにつらいか。もうわずかだ。がんばってほしい。
D 突入準備はすべて整った。
B 警察犬も緊迫した雰囲気を察してかエサをあまり食べない。
E 警察幹部も出入りが激しい。
A 一番心配しているのは天候だ。
C 警察はがんばってる。着たきりスズメで、メシも毎度バサバサのおにぎり。
C 軽い凍傷や冷えからの下痢患者が続出。埼玉県から医者が3人も応援に来た。
B 決死隊の志願者が多くて、選抜に困ったようだ。
E 突入部隊が第二機動隊に決まったのは、22日に警官2人が銃撃されたのがきっかけだとか。
A 長野県警幹部が無断で装甲車に乗り玄関前に突っ込ませた。機動隊員があわてて装甲車の後ろについたが、そこを狙われた。
E そのあと軽微の主導権が警視庁に移った。
D 突入計画はあらゆる場合を想定して綿密にたてられている。
B 犯人たちも感づいているようだ。ガス弾はいままでで一番多く使った。
A 一味は挑発に乗らなかったが、発砲は多かった。
E 彼らが「権力にひとあわふかせたのは大きな成果」とあっさり手を上げることも考えられないわけではない。
B 報道陣も無線では犯人に突入を悟られないため暗号を使う。
A「ミルクを届ける」これがわが社の"GO"のサインだ。


■赤軍山荘へ決死隊突入(毎日・夕刊)


連合赤軍事件スクラップブック (あさま山荘事件、リンチ粛清事件)-1972-02-28 毎日 夕刊01


 連合赤軍事件は、ついに死傷者を出すという最悪事態となった。長野県軽井沢の河合楽器浅間山荘で、管理人、牟田郁夫さんの妻泰子さん(31)を人質にとり、10日間にわたって抵抗を続ける連合赤軍一味に対し、長野県軽井沢署の警備取締本部は役1500名の武装警官を動員、28日午前10時を期して総攻撃を開始した。


 クレーン車につり下げられた2トンの大鉄球を山荘玄関わきの壁にぶっつけて大穴を明けたのをきっかけに約130人の"特攻隊員"たちは1階、続いて2,3階へと突入、各階を制圧しながら犯人たちを3階屋根裏へと追いつめた。だが、一味は3階の1室と屋根裏にこもって狂ったように銃を乱射、泰子さんの安否確認ができないまま、山荘攻めは難航を重ね、連合赤軍のライフル、猟銃と手製爆弾で警視庁特科車両本部付、高見繁光軽侮(42)と警視庁第二起動体調、内田尚孝警視(47)が死亡したほか、5警官とテレビカメラマン1人が重軽傷を負った。


 午後4時40分過ぎ、いちょうの間に男2人、女1人がいるのを確認した。女性は人質の牟田泰子さんで、生存が確認された。


 この日、テレビはどの局も予定を変更して、ほとんどCMなしでこの事件を生中継していた。どのチャンネルを回しても同じ場面が映し出されるという前代未聞の中継だった。


 泰子さんは朝日、読売の夕刊では「安否不明」となっていて、救出を報じているのは毎日だけだ。「午後4時40分過ぎ」に確認されたことがどうして夕刊の記事にできたのだろうか(ちなみに上の記事は縮刷版から引用)。この時刻に坂東が泰子さんをガス弾から遠ざけるためベッドを移動させたのだが、その時に「男2人、女1人」が確認された。


■怒りの鉄球(読売・夕刊)

連合赤軍事件スクラップブック (あさま山荘事件、リンチ粛清事件)-1972-02-28 読売 夕刊02

 有名になったクレーン車による鉄球作戦。当時テレビ中継をみていて「なんて原始的な作戦なんだろう」と驚いたのを覚えている。だが壁に穴をあけることに成功し、これが突破口となり、事件は解決へ向かうことになった。


 この鉄球攻撃で、屋根裏で銃撃していた坂東と加藤次男はベッドルームに撤退した。「連合赤軍少年A」(加藤次男)によると「屋根裏から下りてからは、私はもう警察と闘うことはしなかった。兄が死に、私は逮捕されれば重罪であることは確実だった。せめて弟だけは早く親元に返したい。弟が重罪に問われるような行動をとらないためにも、早くこの「闘い」が終わってほしいと願った」。


■浅間山荘突入状況図(読売)


連合赤軍事件スクラップブック (あさま山荘事件、リンチ粛清事件)-1972-02-28 読売 夕刊01

突入隊は、催涙ガスと放水で抵抗力を奪って進入していく。催涙ガスには窒息しそうになるが、放水があるとガスが離散するので、冷たくとも「まだまし」(坂口)だった。


■その他の記事

銃撃され入院中の田中さん、再び重体に。昏睡状態に陥った。(毎日)