さぁノルウェーの次はこっち行きますよ、それ

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フィンランドの作曲家、ジャン・シベリウスです。
フィンランドを代表する作曲家として、紙幣に載っていたほど。後述の管弦楽曲は「第二の国歌」と呼ばれるまでに国民に親しまれていました。

昨日のグリーグ同様、シベリウスも「国民楽派」に当たる作曲家。曲の副題や音楽の背景は母国の情景や歴史に深く関わっています。




まずはこちら、ヴァイオリン協奏曲。
この曲の冒頭のフレーズに関してシベリウスは、「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」と述べています。

ちなみにシベリウスの若い頃の夢はヴァイオリニストだったそうですが、断念したそうです。
理由はまさかの「あがり症」。
どんな人にも欠点はあるものですが、その一言で括ってしまうとは…結果として人前に出ることはかなわなくとも、物書きとしての名声を得ることができてよかったのでしょう。
しかしこの協奏曲は一度に二本の弦を擦って演奏するダブルストップという難技巧が随所に出てくるなど、演奏は安易ではないとか。ドSなんでしょうね、きっと。

そして、シベリウスの代名詞とも言えるこの曲




交響詩「フィンランディア」
この曲が作曲された1899年、フィンランドは帝政ロシアの圧政下にありました。
言語の統制はもちろんのこと、出版に関しても厳しい制約があったために新聞が廃刊になることもあったそうです。
そこで当時の独立運動の一環として「新聞祭典」という催しが行われ、祭典のフィナーレとして演奏されたのが前身である「フィンランドは目覚める」でした。
翌年1900年、パリ万博でフィンランドの管弦楽団が初めて演奏した時に、交響詩として作品が確立したのと共に、「フィンランディア」という名前が定まったのでした。
当時ロシアはこの曲がフィンランドの愛国心を高揚させることを恐れて、国内での演奏を禁止にしたとか。
もうおわかりかもしれませんが、この日記冒頭の「第二の国歌」とはフィンランディアのことだったのです。

曲の構成も重苦しい重厚な音から始まる「苦難」、中間部分から快活に進む「希望」と変わっていきます。曲にその国の歴史を投影するのは、まさに国民楽派の真骨頂と言えます。

シベリウスはピアノ曲も有名なのですが、今回はフィンランディアで語りすぎました…笑
とりあえずピアノの代表作を一曲上げますので、もしお気に召したら他のもお調べください…なんと雑な終わり方…笑