POEMS症候群(クロウ・深瀬症候群)の患者数は最近の調査で全国に340名余りという非常に珍しい病気であり、病気の事、治療のことなどを調べることにも苦心される方が多くいらっしゃいます。当サポートグループでは、患者同士の交流を図るコミュニティを作ったり、病気や治療に関する情報の発信や新薬の承認等に向けた取り組みなどの活動をしています。


このたびコロナウィルスに関連して添付のような要望書を厚労大臣あてに下記及び添付のとおり提出しました。

また、神経免疫学会並びに末梢神経学会にも、患者や患者会への正しい知識の提供と必要な対策へのご協力をお願いしました。

~~~~~~

厚生労働大臣

加藤 勝信 様

2020年3月11日

神経難病患者への新型コロナウィルスへの対応に関する要望書

神経難病団体ネットワーク

<参加賛同団体>

(一社)日本ALS協会
ギラン・バレー症候群 患者の会
CMT友の会
全国 CIDP サポートグループ
(NPO)全国脊髄小脳変性症・多系統萎縮症友の会
全国多発性硬化症友の会
(一社)全国パーキンソン病友の会
もやもや病の患者と家族の会


日頃より、難病対策の推進・強化にご尽力を賜り深く感謝申し上げます。

さて、今回発生した新型コロナウィルスにつきましては、私共、神経難病という基礎疾患を抱えた患者が感染した場合、特に重篤になる可能性が指摘されています。また、私共が通常の定期的な通院やリハビリを安心して受け、不安少なく日常生活を送ることができるよう、その対策に万全を期して頂くため下記の要望を致します。



神経難病の患者は、現在下記のような困難に直面し、不安を抱え生活しています。

1. 人工呼吸器を使用している患者などは、たん吸引をする時に必要な消毒液やアルコール綿など衛生材料の入手が困難になっています。自己注射をしている患者にとっても同様に必要な消毒液やアルコール綿など衛生材料の入手が困難になっています。

2. 免疫抑制剤を使用している患者が多くいるなか、消毒液やマスクが買えない、マスクがなくなる、マスクの使いまわしをしている等の現状を余儀なくされています。

3. 治療やリハビリのため、ほとんどの方が定期的に医療機関に通院しています。また血液製剤を使ったIVIg治療などで定期的に入院する方、急な再発等で入院される方も多くいます。このため、今後、医療機関で適切な環境のもとでの検査、診療、治療が受けられるのか、大変不安です。

4. ギランバレー症候群などは、風邪などの感染症の先行感染の後に発症する例が多くあります。

5. ふらつきや歩行困難の方が多くいます

6. 非正規雇用等で働く身分の弱い立場の方や、定期的な通院等を有給休暇などで対応するため、新たな休暇が取りにくい方が多くいます。

このため、下記を要望いたします。

① 人工呼吸器使用患者などの衛生管理に問題が生じないように、たん吸引に必要な消毒液やアルコール綿などを優先して配布し、患者が必要数を確保できるようにしてください。

インターフェロンや免疫グロブリン製剤などを自己注射している患者にも、同様に必要な消毒液やアルコール綿などを優先して配布してください。

② 免疫抑制剤を使用している神経難病の患者への、正しい対処法の知識の普及と必要な対策を行ってください。特に、マスクや消毒液を優先して配布し、患者が必要数を確保できるようにしてください。

③ 神経難病の患者が通院する医療機関等において、特に採血や待合場所など人の集まりやすいところで感染がおこらないよう、万全の措置をとってください。

また、献血に協力する人数の減少などで、IVIg治療に必要な血液製剤が不足することのないようにしてください。

また、急な発症や再発、定期的な入院治療を行っている神経難病の患者のため、病床を確保し、安心して入院治療ができるようにしてください。

定期的な通院についても、コロナ患者対応のために、神経難病患者への診療が出来なくなるということのないようにしてください。通院している病院が、コロナウィルスによる感染症の発生で診療休診になった場合の体制(薬の処方、入手など)の確保もお願いします。

また、定期的な通院等を軽減するための電話等による診察や処方箋の発行を推進してください。

④ 風邪などの感染症による先行感染による発症例の多いギランバレー症候群の発症や治療時の重篤副作用の発生と、患者のケアに十分な注意を払ってください。

⑤ ふらつき等に対応するため、手すりや壁を利用する場合が多くなる神経難病の患者への正しい対処法の知識の普及と必要な対策を行ってください。

⑥ 神経難病の患者が解雇や給料の未払い等雇用上で不利な扱いをされることのないよう、また、休暇や自宅待機がとりやすいように制度運用を行うよう、企業等に働きかけてください。

以上

~~~~~~
 

「全ゲノム解析等実行計画(第1版)」が公表

本日14時に、厚労省から「全ゲノム解析等実行計画(第1版)」が公表されました。

明日、各紙の朝刊等で取り上げられるものと思われます。

下記HPをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08564.html