【タイトル】
The Great Escape ―COMPLETE BEST― [DISC 2]
【アーティスト】
JUDY AND MARY
【リリース】
2001/5/23
【トラック】
[1]そばかす
[2]小さな頃から
[3]散歩道
[4]LOVER SOUL
[5]BLUE TEARS
[6]ジーザス!ジーザス!
[7]クリスマス
[8]ドキドキ
[9]BATHROOM
[10]風に吹かれて
[11]DAYDREAM
[12]あたしをみつけて
[13]自転車
[14]Brand New Wave Upper Ground
[15]エゴイスト…?

【総合評価】3.8


 バンド解散ののち直ぐにリリースされたベストアルバム。前回[DISC 1]の項で説明したが、ファン投票によって選ばれた30曲を奇数順位と偶数順位で分けて収録。2枚に大差はなく、順番の早い曲ほど得票数の多い有名な楽曲がきている。ファン投票によるものなので当然アルバム曲やカップリング曲も入っている。


 『そばかす』は知名度として1番と言って良い。オリコン順位からすればその少し前からトップ10入りをしているのでバンドの知名度は既にある程度あったのだが、アニメーション主題歌に抜擢されたことで1位を獲得。それまで知らなかった人間にも[JUDY AND MARY]の名を知らしめた。リリースされた全シングルのうち1位獲得は意外にもこの『そばかす』しかない。

 『そばかす』が楽曲として普通だと思っている方も多いだろうが、このバンドの持ち歌としては多少異色のように思える。強烈なイントロは勿論だが、序盤の軽快なテンポに対して歌詞の語数が多いのでメロディー部分の歌詞が結構聞き取りにくくい。これは他の曲ではほぼ無い。そこからやや落ち着いたサビ前から盛り上がるサビへの幅のある展開、アニメOPとしては理想なのかもしれない。因みにOPの後継となる川本真琴『1/2』もその「型」を踏襲している、この曲の場合ではテンポを上げるという手法で展開。


 如何にもファン投票らしさが出ているのは『BLUE TEARS』。2枚目のシングルでオリコン順位としては100位にも入らなかったが、日の目を見たことにより改めて見直された格好になった。その一方でメジャーデビュー曲の『POWER OF LOVE』はギリギリ100位以内に入った曲ではあるが今回の作品では選ばれず収録されなかった。


 冒頭で2枚に大差はないと述べたが、個人評として高評価をつけた楽曲数としても[DISC 1]と[DISC 2]では同じだった。しかし[DISC 2]の方が特に高かった楽曲がいくつかあったので総合評価としては上となっている。

 そのうちの1曲が『DAYDREAM』。 何処か切ないという楽曲はそれなりにあるが、ここまでマイナー曲調で押し切るのも初期楽曲とはいえらしくないように聴こえる。たが、率直にそれが良い。全体としても割と音がシンプルなのでギターサウンドが響くナンバーでもある。これが3枚目のシングル曲でオリコン50位に届かなかった、あまり知られていない方なのかもしれない。

 『エゴイスト…?』は締めに持ってきた時点で展開勝ち。[DISC 1]では『ステレオ全開』という弾けたナンバーで締めたが、今回はその反対。


 再結成を望む声も未だにあるが、気配としては全く無いのが現況。個人的にもそれが正解だと思う。諸事情を小耳に挟んだ事もあるが、とにかく解散から15年以上経っているのだからそこは汲み取るべきだろう。(完)