【タイトル】
HISTORY OF ERIC CLAPTON [DISC 1]
(エリック・クラプトンの歴史)
【アーティスト】
ERIC CLAPTON
【リリース】
1987/7/1
【トラック】
[1]I AIN'T GOT YOU
[2]HIDEAWAY
[3]TALES OF BRAVE ULYSSES
[4]I WANT  TO KNOW 
[5]SUNSHINE OF YOUR LOVE
[6]CROSSROADS
[7]SPOONFUL
[8]BADGE

【総合評価】3.4


 「世界的に有名な」と前置きしてしまうと誰もが知っている事を大前提としてしまうが、20代以上でも全く知らないという人間は居る。とはいえ最低でも名前くらいは知っている方が大半だろうと思って話を進めていく。

 1945年イギリス出身。1960年代からバンドのギタリストととして、バンド解散後もソロとして活躍しそのギターテクニックからジェフ・ベック、ジミー・ペイジと並ぶ世界三大ギタリストの1人に挙げられる。

 簡単に言えば《ギター演奏が超大好きで、とんでもなく長い間弾き続けてきたイギリスのおじ様》と言ったところ。表現が失礼だというのなら先に謝るが、何のイメージも沸かない方にはこういう説明のほうが案外しっくりくるかもしれないと考える。神様のように紹介するのも悪いことではないが、何も知識の無い人間にその説明をするといつまでも身近に感じないままになってしまう。


 とにかく楽曲の中でギターがバンバンに存在感を出してくる、特に間奏は弾いているうちに酔いしれているのかほとんどが長い。 普通の間奏だと思って聴いていると、ずっと弾いているだけで暫く「帰ってこない」こともザラ。収録曲数の割に合計の演奏時間が長いのはその影響。

 それが顕著に示すのが『SPOONFUL』。歌もソコソコにいつもの間奏に入るのだが全然帰ってこない、CDが音飛びして同じ部分をリピートしているのかと勘違いするほどとにかく戻ってこない。後々分かるのは6分・7分・8分・9分…と待っていても結局演奏を聴き続けるだけだったということ、 完全に独壇場である。10分も優に超え再び歌い始めるのが14分になる直前、最終的に終わったときは17分になりかけていた(16分53秒)。

 しかもこの曲、なんとライブ版。観客はいたずらに沸いたりもせずとにかく本人のギター演奏を聴き続け、最後に沸く。演奏時間が長いことを予め知っていたとしても時間の感覚は途中で溶けて消失しているに違いない、それでも聴いていられる空気を会場で作り出すのが世界三大ギタリストたる所以だろう。

 ここですっかり終わった気になるが、これが7曲目であり『BADGE』が最終曲として残っている。聴く側の余力があまり無かったとしてもそこは問題ない、『BADGE』は3分もかからずあっさり終わる。


 当方も含め具体的に聴かないと楽曲を知っているかどうか分からない方にとって、この8曲というか8問は簡単な問題とは言えない。有名どころで「I SHOT THE SHERIFF」(1974)でもあれば良かったのだが、それも収録されていない。[DISC 1]の曲目では『SUNSHINE  OF YOUR LOVE』が知名度で一番というところか、これは当方でも聴いて直ぐにピンときた。


 [DISC 1]が8曲収録で、そのあとの[DISC 2]も8曲収録。合計しても16曲なので、ディスク1枚でギリギリ収まりそうな気もする。しかしながら先述した通り聴かせどころが間奏を含めたギター演奏なので1曲あたりの平均時間が長い、それで2枚組となったのである。そして次回[DISC 2]へと続く。(完)