【タイトル】
The Very Best of JITTERIN' JINN
【アーティスト】
JITTERIN' JINN
【リリース】
1997/5/21
【トラック】
[1]プレゼント
[2]エヴリデイ
[3]にちようび
[4]アニー
[5]プリプリダーリン
[6]あまのじゃく
[7]なによ!
[8]SINKY―YORK
[9]Don't Let Me Down
[10]ひっこし
[11]相合傘
[12]いつかどこかで
[13]雨
[14]帰っておいで
[15]夏祭り

【総合評価】3.4


 ジッタリン・ジン。ちょうど平成に入った頃にデビューし人気を博したバンド、ヒットした楽曲は広く知られているがその後どうなったかはあまり知られていない。

 元々はオーディション番組の《イカ天》でそれまでのチャンピオンを倒してその存在を知らしめた模様。しかしその座を僅か1週で明け渡してしまい、間もなくメジャーデビューしたためあくまで番組出身として列記されている事が多い。


 今作がベストアルバム。シングル曲およびc/wそして1st~3rdアルバムに収録された楽曲を詰め込んだ。

 先に触れたデビュー前の活躍もあってデビューからシングル曲は好成績を収め、3rdシングル『にちようび』は1位も獲得した。当然ながらその間のオリジナルアルバムも勢いそのままにセールスを伸ばしている。

 ところがこのベストアルバムに関してはオリコン50位以内にも入っていない。まさかそんなはずはと思っていたが、リリース時期におや?と気付く。

 このアルバムに収録されている作品以降のシングル曲の順位が落ちてきており、1995年から暫くシングルリリースが行われていない。結果として2000年までリリースが無かったのだが、そんな中のベストアルバムというのは何処か中途半端な間隔の空け方になってしまった。


 21世紀に入ってからほぼリリースが無いにも関わらず本人たちは至ってマイペースと言おうか、メジャー時代の4人から3人組となりインディーズに活動を移した今でも活動を続けている。

 堅苦しくない、良い感じに抜けたバンドの先駆であり一般というよりも同じ業界の人間にファンが多いようだ。他のアーティストによる『夏祭り』のカヴァーはその顕著な例だが、裏を返せばカヴァーしたくなるほどメロディーの骨組みつまりは構成がしっかりしている。リズムが似ているようでも、各楽曲の個が立っている。


 未だに活動しているが、お世辞にも長く第一線に居続けたとは言えない。にも関わらずバンド名と楽曲が人々の記憶に強く残り、同業という本当の玄人に親しみを持たれるのは伝説的と言って良いだろう。故にベストアルバムだけを抜き出して紹介するのはこのバンドにとって邪道なのかもしれない、「これしか見つからなかった」といつもの言い訳をしながらただただ申し訳なく思う。(完)