【タイトル】
ゴールデン☆ベスト
【アーティスト】
C―C―B
【リリース】
2003/11/26
【トラック】
[1]Romanticが止まらない
[2]スクール・ガール
[3]Lucky Chanceをもう一度
[4]空想Kiss
[5]元気なブロークン・ハート
[6]不自然な君が好き
[7]ないものねだりのI WANT YOU
[8]2 Much,I Love You
[9]原色したいね
[10]抱きしめたい
[11]恋文(ラブレター)
[12]信じていれば
[13]Love Is Magic
[14]Rockin' Roll Baby
[15]Private Lips
[16]Lucky Chanceをもう一度 (12インチ)
[17]元気なブロークン・ハート (12インチ)
[18]ないものねだりのI WANT YOU (12インチ)
[19]Romanticが止まらない (12インチ)

【総合評価】3.2


 1982~1989年まで活動したバンド、その後も再結成を行っているが80年代のイメージがかなり強い。そもそもこのバンドは所々で印象的な部分があるため多少勘違いされていたり、知られていなかったりすることがある。


 『Romanticが止まらない』を先頭に持ってきた時点で完全に「C―C―B」としてのパッケージになっているが、これは3rdシングル。つまり1stの『Candy』と2ndの両A面シングル『瞳少女/チリドックがお気に入り』が入っていない。大ブレイクするほど売れなかったのは確かだが、それでも2ndシングルは2曲ともタイアップに乗っている。

 そして結成当時のバンド名は「Coconut Boys」であり、改称して[C―C―B]となった後にブレイクしている。要は[Coconut Boys]時代の影は知らなくても問題ないだろうという判断でこの作品ではブレイク前の楽曲が収録されなかった。《ゴールデン☆ベスト》シリーズとはいえやや現実的過ぎる。


 また[C―C―B]といえば『Romanticが止まらない』の映像が真っ先に流れるので、主にドラムの笠浩二がメインで映る。派手な髪色にフレームの目立つメガネをかけ、ヘッドフォンとインカムを付けながらドラムをプレーし歌唱する。これ以上のパフォーマンスは他に無いが、これだけ見ると間違いなくメインヴォーカルだと誰もが思ってしまう。

 その認識でも間違いだとは言い切れないが、正確に言えばこの時はリードヴォーカルを務めていたという表現が正しい。全体の歴史として主にヴォーカルを務めていたのはギターの関口誠人(まこと)であり、関口が途中で脱退したあともヴォーカルを務めたのは米川英之ということになっている。このバンドもコーラスワークが上手かったので一人が突っ走るような楽曲は無い。


 そして『Romanticが止まらない』を代表曲とするにしてもいわゆる一発屋ではない。80年代の記憶が有る方なら説明するまでもないが、最初の大ヒット以降もヒット曲を連発している。筒美京平などヒットメーカーが手掛けている事や当時ドラマが強かった事も当然追い風になっている。

 ただし解散が1989年だったがために、当方もそうなのだがいわゆる平成以降の記憶しかない人間には何の印象もないと言えるくらい[C―C―B]の形が見えない。当時の映像が流れるかもしくは誰かが模写すると必ずと言っていいほど『Romanticが止まらない』になるので、自ずと〈楽曲+ヴォーカル・笠浩二+ドラム〉のイメージで固定されてしまうのである。バンドメンバーそれぞれが個性を出していたようだが、TVの切り方は実に酷いことが多い。


 個人評としては『Lucky Chanceをもう一度』がコーラスワークも素晴らしく一応推薦しておくが、[C―C―B]を知る方なら「これもベタだろ」と言われてしまいそうなのであまり大きな声では言えない。言っておくべき事としては、馴染みのない世代は『Romanticが止まらない』以外の[C―C―B]作品をどれでも良いからまず聴いておくべきということか。(完)