【タイトル】
RHYTHM FORMULA [RHYTHM FORMULA Ⅱ]
【アーティスト】
TWO―MIX
【リリース】
1999/11/25
【トラック】
[1]TECHNOPOLIS NEW GENESIS
[2]ENDLESS COMMUNICATION
[3]1ST RHYTHMIC YOUTH
[4]1ST JUSTICE
[5]1ST KISS
[6]KEEP ON “KEEPING ON”
[7]TWO―MIX MEETS LUPIN THE Ⅲ NEXT GENERATION

【総合評価】3.6


 こちらが《RHYTHM FORMULA Ⅱ 》(以下《 Ⅱ 》)。前回《RHYTHM FORMULA Ⅰ 》(以下《 Ⅰ 》)に比べて楽曲数がかなり少ないが《 Ⅱ 》でも収録時間は40分を超える。

 [1]および[7]はよく見れば気付くかもしれない。[1]はYMOつまり坂本龍一、同様に[7]はルパン三世つまりは大野雄二作品のアレンジ。『TECHNOPOLIS』は大胆にアレンジしているように聴こえるが、中心線は崩してはいないというよりかは崩しきれなかったというべきか。『LUPIN THE Ⅲ』は楽しくなって少し遊んでしまったせいか演奏時間が長い。


 《 Ⅰ 》の終盤で失われていた、高速で鮮烈な[TWO―MIX]サウンドが《 Ⅱ 》の[2]~[5]でまた帰ってくる。《 Ⅰ 》で強烈な印象を与えていただけに、こうでなければならないというイメージがついてしまっている。

 それが[6]でまた一般でいう正統のような曲調になる。ただし今回は《 Ⅰ 》の時のように高山みなみ本人が作曲したのではない、これに関しては作曲が『サイレント・イヴ』の辛島美登里と前回パターンとは違う。しかもこの楽曲が高山の歌唱音域ど真ん中という感じがする、ただテンポを落としただけではなくしっかりと引き出すところは引き出した結果となった。


 表示では7曲だが、実はシークレットのボーナストラックがあって総合評価は全8曲での評価である。そして最後の1曲に敢えてシンプルにタイトルを付けるなら【[8]TRUTH】となる。

 《 Ⅰ 》に収録されていた『TRUTH』を「名探偵コナン」の一場面としてパッケージしている。実際アニメ放送として[TWO―MIX]との共演があったわけだが、ここでは収録前の会話場面から高山みなみと江戸川コナンのデュエットが入っている、言うまでもないがつまりは歌手と声優の使い分け。ファンにはお馴染みだが、コナンは音痴なのでデュエットとは言い難くここも遊び心といったところか。


 「そういえばそうだった」と思い出す程度だが、[TWO―MIX]としてTV出演などの露出はほぼ無かったらしい。ならば完全に謎めいた感じにするのかと思いきやジャケットや歌詞カードには本人たちがガッツリ写っている、そこはそれで普通に良かったのか。


 ヴォーカル・高山みなみは本業が忙しくなったのかユニットから離れてしまったが[TWO―MIX]そのものはキーボード・永野椎菜のソロプロジェクトとして今も存在はしている。作曲も高山から切り替わっているので問題自体はない模様。


 《 Ⅰ 》と合わせた評価としては〈3.5〉。果たして閲覧者の方々が[TWO―MIX]をJ-popの異端と捉えるかアニメソングのアーティストとして捉えるか。少なくとも【J-pop】の棚に置いていない可能性は高いが、だからといってアニソン歌手と決めつけるのは変に「壁」を作りかねない。(完)