【タイトル】
THE VERY BEST  OF THE EAGLES
【アーティスト】
THE EAGLES
【リリース】
2001/6/2
【トラック】
[1]ONE OF THE NIGHT
[2]TAKE IT EASY
[3]HOTEL CALIFORNIA
[4]NEW KID IN TOWN
[5]HEARTACHE TONIGHT
[6]TEQUILA SUNRIZE
[7]DESPERADO
[8]BEST OF MY LOVE
[9]LYIN' EYES
[10]TAKE IT TO THE LIMIT
[11]I CAN'T TELL YOU WHY
[12]PEACEFUL EASY FEELING
[13]JAMES DEAN
[14]DOOLIN―DALTON
[15]WITCHY WOMAN
[16]THE LONG RUN
[17]LIFE IN THE FAST LANE

【総合評価】3.5


 言わずと知れたアメリカのロックバンド。1971年にデビューしているが、他国も含むと同年代にはレッド・ツェッペリン、AC/DC、ディープ・パープル、クイーン、ブラック・サバスなど。これらのバンドと比べてしまうと「エッジ」という意味でのロック色は強くない、どうしてもカントリーやポップが付属してきてしまう事があるが逆にいえば誰もが馴染みやすい/親しみやすいとも言える。


 デビューはバックバンドのパターン。リンダ・ロンシュタットのバックバンドを務める過程で集められたミュージシャンのうちグレン・フライ、ドン・ヘンリー、ランディ・マイズナー、バーニー・レドンの4人で編成しデビューに至る。

 デビューから早速『TAKE IT EASY』がヒットして、『DESPERADO』が入ったアルバムがこれまたヒットする。『DESPERADO』はカヴァーも数多く、元々バックバンドを務めたリンダ・ロンシュタットも拝借している。


 上記『TAKE IT EASY』『DESPERADO』に加えて『HOTEL CALIFORNIA』が本格的にイーグルスを聴いたことが無い方でも分かる3本柱であろう。あとは『NEW KID IN TOWN』がイントロからメロディまで曲名を知らなくても何処かで聴いているはず、『TEQUILA SUNRIZE』も割とリクエストはされやすい。


 楽曲から想像するのも無理があるが活動は他のバンドに比べてピリピリしていたらしく、メンバーのグレン・フライとドン・ヘイリーが度々衝突していた模様。一応皆がヴォーカルを担当する体勢はあったものの、大ヒットした楽曲は大体ドラマーのドン・ヘイリーがメインを務めていた。グレンがそれをどう思っていたのか知らないが、どちらにしろ両者とも折れない性格だったのは確かでバンドにおける主導権を握りたかったのかもしれない。

 2人がバチバチした火花は何故か他のメンバーに飛び火してしまい、バーニー・レドンとランディ・マイズナーが脱退している。補充を行って結果的にメンバー入替えとはなっているが、一向に解消されない軋轢が最終的に1982年の解散へ繋がっていく。実質的な活動期間は10年もない。

 にも関わらず1994年に再結成を行い活動を再開している。創設メンバー2人の距離感も相変わらずで、他のメンバーをクビにしてトラブルになったりもしているがとにかく活動は続いていった。バンド内がどうであれ、ファンは楽曲をライブで聴きたいのである。

 ところが2016年にグレン・フライが亡くなると、さんざん衝突していたドン・ヘイリーにはかなり堪えたようで直後に2度目の解散を宣言。この辺の感情は本人にしか程度は分からないだろうし、説明するまでもない。いわゆる第2期はここで区切りがついているが、昨年グレンの息子が加入して活動自体は続けられる事となった。

 バンドの凄さはアルバムのセールス。最盛期の活動期間が他のバンドに比べて短いにも関わらず全米でのアルバムセールスは1億枚を超える、レッド・ツェッペリンも同様の記録があるが実は数えるほどしか該当アーティストがいない。


 超有名曲以外の推薦曲として『WITCHY WOMAN』と『LYIN' EYES』を挙げておく。当方だけの考え方かもしれないが、バンドであるからこそコーラスワークが肝要であると思っている。それが如何に弾けていたり、ブッ飛んでいたりしても同じ。(完)