【タイトル】
Blue Jam
【アーティスト】
Bonnie Pink
【リリース】
1995/9/21
【トラック】
[1]Scarecrow
[2]Curious Baby
[3]キャンディ2つの散歩
[4]背中
[5]Freak
[6]Too Young To Stop Loving
[7]Maze Of Love
[8]オレンジ

【総合評価】3.3


 今年のGWまとめて取り上げるのは1973年生のシンガー・ソングライター、ボニーピンク。何曲か知っているという認識であればもうそれで十分話は進めやすい、全く聞いたことが無いというのならこの機会に覚えていただきたい。

 一番難しいのが名前だけは聞いたことがあるという方、もしくはCMタイアップの「あの曲」だけ知っているという方。そのくらいの認識であると週末になるまで全く聞いたことが無い方と変わらない状況になってしまう、しかしながらそこは根気強くお付き合い戴きたい。

 なお文中では《ボニーピンク》とカタカナ表記で通していく。


 この作品が1stアルバム。シングル曲は『オレンジ』1曲のみで、そもそも収録曲が8曲しかない。結果的に初っ端からインパクトを残すことは出来ず、オリコン100位にも入っていない。

 普通に考えれば、まずベストアルバムから入るべきなのかもしれない。そして1stアルバムとはいえよくこんなマイナー作品取り上げたな、と思われそうである。しかし当方からすればよくこのアルバムをレンタル商品として扱ったなと思う他無い、しかもレンタル落ちするまで長い間置かれていたのが不思議でならない。発見した時もただただ驚いた。


 この作品以外ならどれでも良いのだが、そこでボニーピンクの歌声を知っている方にはこの作品を聴くと恐らく「うぇっ!?」となる。冒頭2曲は声といい歌唱といいイメージする[ボニーピンク]とは全く違う、レンタル落ちで入手したものだから中身を間違えたのかと歌詞カードを確認するがこれがまた見易くない仕様。加えて序盤の楽曲部分は歌詞さえもかなり見づらく、正直言って不親切極まりない。結局のところ中身の間違いはないのだが。

 [3]以降は今の本人と思える歌声になっているが、曲調も含めてそれでも何処か「それっぽい」という表現にとどまる。初期に関しては高音でも低音でもとにかくエッジを立たせようとしているが、それがかえって強弱を分かりにくくしている。

 本人は恐らく他と違う音楽性や感性を強調したかったのかもしれない。確かにジャケットは奇抜で、サウンドにその片鱗は見えるが正直歌唱が追いついていない印象。決して技術が無いというわけではない。


 少ない曲数ながらも聴きどころはあったわけで評価も最低の〈3.0〉になることは無かった、まぁ『オレンジ』が唯一のシングル曲で作品の最後にきているのに存在感はあまり無かったのだが。

 因みに作詞・作曲は全て本人であるがクレジットが本名の「浅田香織」となっている。オリジナル・アルバムではこの作品だけである。(完)