【3】動詞の送り仮名のワ行をハ行で書く


 これは【2】と関連します。
 
 ことばの初め以外(つまり、あることばの中)では、ワ行はほとんどの場合ハ行で書きます。
 ですから、以下のようになります。


 触る(さわる)→さはる
 交わす(かわす)→かはす
 変わる(かわる)→かはる

 

たくさんあります。


 ですから【2】の最後であげた「味わう」は「わ」も「う」も変わつて、「味はふ」です。


 ただし、複数の語がくつついてできた語には注意しませう。例へば「断わる」の「わる」は「割る」から来てゐますので、このままです。


 また動詞が「える」で終はる場合は「へる」にして下さい。


 終える(おえる)→おへる
 変える(かえる)→かへる
 添える(そえる)→そへる


 などなど。例外はまず、古語において「ゆ」で終はつてゐる場合。古語でと聞くと分らないと思うかも知れませんが、大丈夫です。


 絶える→絶ゆ
 見える→見ゆ
 越える→越ゆ


 聞いたことがある語が多いと思います。

 「ゆ」で終はる形にしてみて自然であれば、「える」は「へる」に変へず、そのままに。

 

 なほ、祝詞でよく出てくる言葉に「栄える」があります。古語では「栄ゆ」ですが、けつこう間違え易いらしく、「栄へる」と書く人をたまに見かけます。

 また、ワ行に活用する動詞は「へる」にしません。これは高校のときに習ひました。みつつしかないので憶えてしまふしかありません。


 植える→植う
 飢える→飢う
 据える→据う


 の三つ。


 それぞれワ行なので(わゐうゑを、でした)、植ゑる、飢ゑる、据ゑる、と書きます。