狩衣の着方、なんていって、すごく美しく着られるわけではないんですけれども。


 狩衣がどんなものかは実際に下の方で見ていただくことにして、今日ご紹介する着方は、神社での一般的な着方であって、有職故実の伝統からは外れている部分があります。

 こうした服をひっくるめて「装束」と言いますが、これは自分で着るものではなく、人に着せてもらうものです。

 ひとりで着せるとき、ふたりで着せるとき、着せてもらう人(御方・おかた)の立ち位置など、けっこう厳格な決まりがあります。ですから、有職故実の専門家にこんな着方をしています、なんていうと怒られてしまうに決まっています。

 でも神社では、そうしたことに目をつぶって、便宜上ひとりで着ているということなのです。


 前置きはこれくらいにしまして。


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まず帖紙というつつみ紙の中から、狩衣君をとりだします(左)。

次に、わっかの中に入っている帯をとりだします(右)。


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はおるように着まして、右側の丸っこい部分(蜻蛉・とんぼ)を左側の縄の先端部分の輪に通します(懸緒・かけお)(左)。

かけたところはこんな感じです(右)。


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イメージとしては、自分の前に布が二枚、後に一枚あって、それを帯で巻く、といったところでしょうか。

左のようにして前二枚をあげ、これをあごで固定します(本来の着方ではありませんけれど)。

それから右のように、あごで固定したまま、腰を帯で結びます。私は横結びにしますけれど、違う結び方をする人もいるかもしれません。


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しばったあと、あごで固定していたのを離すと、左のようになる理屈です。

右は、実際に着ている途中、あごで固定した段階。


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(左)おろして、ちょっと整えるとこんな感じ。はい、携帯で撮っております。

 この後、両袖に手を通します。正式には右、左の順です。また、肩の部分の袖を少し中へと入れた方がかっこよいです。それから、

(右)衣紋襞(えもんひだ)というのを作ります。これは袖口のアップ。


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(左)中の親指を固定しておいて、残り四本の指で袖の中に引き入れるような感じにし、
(右)こうしてできたシワをととのえます。この写真でしたら「/」となるよう整えます。


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(左)袖の上部、白い紐の左に「/」のシワがあります。これを下に伸ばして行きます。

(右)まだ今いちなんですが、これで一応完成。


あとは鏡を見ながら、微調整します。