きょうは、祝詞を作るのに四苦八苦している人のために、最近考えている方法を一部公表します。

 

 熟練者はもちろん、頭の中に膨大な語彙が入っていて、微妙なニュアンスも理解しているわけですが、初心者には語句を使い分けるのは、なかなか難しいことです。そこで考え方として「まず基本的なパターンを憶える」ことを主眼とし、細かいところは語句選択方式にして、習熟するに従って、少しずつ憶えてもらうことです。

 こういう安易で簡便な方法は、あくまで入門~初級のうちの話であって、できるだけ早く卒業するに越したことはありません。しかしながら、まずは祝詞を作文する喜びを味わってもらいたいと思いまして、こんなことを考えた次第であります。


 なお、作り始めたばかりで、社殿祈祷編しかまだ作っていません。作りつづけるとしたら、「恒例祭祀編」「出張祭典編」「霊祭編」を予定しています。


 では以下、一部ですが。


   第一章 社殿祈祷編


①掛けまくも畏き【神社名・祭神名】の大前に恐み恐みも白さく


 神社名・祭神名かのいずれかを記入し、②に進む。多少装飾したい場合、「大前」の前に「珍の」、もしくは「厳の」かを挿入する。また「恐み恐みも」の前に職氏名を

「掛けまくも畏き」の派生として、「掛けまくも」の後を

 A 綾に畏き
 B (綾に)尊き
 C (綾に)ゆゆしき

 などとすることもできるが、社殿祈祷では、あまり装飾しない方が無難であろう。


②【住所】に住まひて今年【年齢】の齢を数ふる【氏名】い


 住所、年齢、氏名を記入して、③に進む。ただし初宮詣・七五三の場合「【年齢】を数ふる」を抜いてから、④に進む。氏子・崇敬者であることを特に強調したい場合、以下のAを住所の前に、BかCかを氏名の前に入れてもよい。


 A 大神(等)の郷内なる
 B 大神(等)の御氏子たる
 C 大神(等)の崇敬者たる


③( イ )蒙り奉る大神(等)の( ロ )を( ハ )奉り( ニ )奉りてありしが


 イ~ニに適する語を以下の語群からそれぞれ選んで記入し、⑤に進む。ただし、ハで選ぶものとニで選ぶものは順不同であるので、入れ替えてもよい。


 イ 日に異に・常に
 ロ 大御恵・大御蔭・御神徳・恩頼・御稜威
 ハ 仰ぎ・尊み・崇め
 二 喜び・嬉しみ・辱(忝)み・謝び


④大神(等)の奇しき( イ )、この( ロ )に生まれ出しより( ハ )を数ふるが故に


 イ~ハに適する語句を以下の語群から選んで、⑤に進む。申込書に両親の名がある場合には、「○○を父とし、○○を母として」という語句を( イ )の後に挿入する。また、ハにおいては、ちょうど百日でなければ正確な日数に直すなど、適宜変えてよい。


 イ 大御恵に依りて・恩頼に依りて・御霊承けて
 ロ 顕世・大八州国・皇御国
 ハ 百日・七歳・五歳・三歳


(以下略)


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 このあとどうするか……、文中で「⑤に進む」と書いていますが実はまだ作成中です。この後、各祈願の内容について展開しますけれど、どういう形がよいか考えています。

 また、ここまでについても、まだ練る必要があります。

 もし、(余りいないでしょうが)最近神職になった方や神職養成課程の学生の方がこの記事を読まれ、期待されては申し訳ないので付け加えますと、私の中でこの話題、今は優先度が低いので、期待しないでお待ちください。