御幣の作り方その3、前回ご紹介した『神社有職故実』により近づけて、御幣を作ってみたいと思います。


↓まずは図を再掲。前回、これは「最初に切るとき、縦長にしてあった」うんぬんかんぬんと申し上げました。


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↑縦長と横長の違いは、ただこれだけのことです(紙を二つ折にしているので、どっちの方が山かってことはありますけれど)。


今回はこの写真の左、縦長タイプの紙垂を使ってみます。できあがったとき、向かって左に来るものは「左を山」に、向かって右に来るものは「右を山」にしてみます。このあたり図を見た限りでは分りませんけれど、紙垂を作るときには、上の左の写真のように切ることと、それなら右に来る紙垂はそれに合わせて外側が山に来るようにした方がよいと思うからです。うん、言葉にするとなかなか難しい。実際に切って折った方が速いかも。


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↑折り方自体は、これまでご説明したのと同じです。


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クロスさせて幣串(写真では真ん中の木の部分)に挟みます。それから内側に三つ折りにした別な紙をその後ろに挟みますと、それらしくなりました。一番上の図と比べて見てください。もうちょっとクロスしているのが分るような形にした方が、いいかもしれません。あとは幣串の中央と上に、紙縒(こより)を諸鉤(蝶結び)に結んで「吉田家の御幣」、完成です。


さて、また白川家のものも作りたいのですが、わざわざもうひとつ作らなくても、これをちょい変えるだけです。


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↑何だかまた写真の撮り方が変ですけれど……。紙垂の上から三番目を向うにひっくり返し、それから上の方のクロスした部分も、紙垂と一緒にはさんだ紙(この部分、「鏡」と言いました)の向うに収納すれば、「白川家の御幣」、完成です。もちろん紙縒を結ぶのは吉田家のものと変わりありません。


どちらにしても、もう少し幣串が細いものを使った方が、見栄えがするかもしれません。


ちなみにこの幣串はもともと、上棟式用のものです。上棟式の御幣というのも地方によって、本当に様々な形があると思いますけれど、当社では上の吉田家の方に近く、クロスさせた部分を折って「鏡」にはさみます。真ん中に紙を巻いて麻紐で縛り、上の方も同様に麻紐で縛ります。縛り方は結び切り、いわゆる横結びにします。