きょうはクリスマスですね。神社にはあまり関係ありませんが、神職個人レヴェルではやはりケーキを食べたり、プレゼントを贈りあったりします。


イエス=キリストは12月25日ではなく、1月に入ってから生まれた、という話を聞いたことがあります。じゃあなぜこの日になったかというと、冬至をすぎて復活した太陽をお祭りしていた、ミトラ教の儀式を取り入れたそうなんですね(フレイザー『金枝編』という面白い本に書いてあります)。ヨーロッパ各地へとキリスト教が広まる過程で、土着の宗教と結びついたわけです。


話は変わって、前日夜から今日未明にかけて、今年もサンタクロースはあちこち回って子供たちにプレゼントを配ってまわったのでしょうか。


このサンタクロース、神様ともいえます。


はあ? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、本来、多くの日本の人々が考える神様というのは、初めにことばありき、光あれ、初めに、神が天と地を創造した……のではなく、むろん全知全能でもありません(いうまでもありませんが、キリスト教などの神様ですよね)。


日本の古い神様の中には、「来訪神」と総称される方々がいらっしゃいます。神様がやってきて、福をもたらし、去っていく。そうした方々です。この神様のなされ方は、サンタクロースってこんなもの、と我々が考えることと似ていますよね。昔話でいえば、笠地蔵の話、鶴の恩返しもそうといえるかもしれません。今なお残る風習では、男鹿半島のナマハゲなんかは怖い来訪神ですよね。お祭のときにおみこしが回るのも、待つ方にとってみれば来訪神であります。


そして、逆にそのような下地があったからこそ、サンタクロースは日本の風土にとけこむことができたのだ、ともいえます。


話がそれますが、うちにはたくさんチラシが入ってきます。その多くは、そばやピザ、中華などなどの出前です。○○新聞とりませんか、というものもあれば、クリーニングするものがあれば伺います、というものもあります。電話すれば何でも取り寄せることができるわけですけれど、これほど出前が盛んなのは日本だけだそうです。


サンタクロースもそうですけれど、もともとこの「来訪神」の考えが浸透しているから、こうした商売が盛んなのかもしれませんね。