「才能とは精神的な生き物なのです。生き物は幼少期、病気にかかりやすい。自然が虚弱なものや適応力の無いものを排除してしまうように、世間は生半可な才能をはねつけます。だから、人より抜きん出たいと思う者は、己が才能を育て上げようと思う者は、戦いの覚悟をすべきなのです。どんな困難にぶつかっても決して引いてはいけない。決して死なない殉教者に、君はならねばならない。」
オノレ・ド・バルザック/「幻滅」、ダルテスがリュシアンにかけた言葉の意訳。そして、その抜粋。
殉教者であるのに、死なないことを求めるのは背理だろうか。