武道館でTHE BAWDIES、ツアーファイナルのライブが行われた。否、彼らの言葉に置き換えるなら“ロックンロールパーティ”。会場に到着すると演奏が始まる1時間前だと言うのに関係者を含め1 階から3階まで、すでに超満員。 SEは彼らのルーツミュージックでもある70年代から80年代の黒人音楽が流れていた。
去年の夏フェスから演奏されていた、ライブアンセム化必至のアグレッシブなロックンロールだ。そのままアルバム曲の猛攻撃が始まり会場の空気はさらに上がっていく。ロックバンドのライブでは見ることのできない横ノリのダンスを踊るお客さんたちを見て、ふと去年インタビューしたときのGt.TAXMAN さんが話していた「僕らはバックトゥザフューチャーのワンシーンに出てくるような、あのパーティを再現したいんですよね」という言葉を思い出し、まさにその現象が目の前で行われている。BAWDIESはレイチャールズ、サムクック、ジェリー・リー・ルイスなどロックの先人たちが築き上げたロックンロール(黒人音楽)をアップグレードして、日本の音楽シーンで体現した唯一のバンドである。MCに入りVo.ROY さんが口を開く「日本武道館こそが日本で初めてロックンロールが生まれた場所なんですよ。それはビートルズがここでライブしたことから始まります。その映像がTV放送でお茶の間に広まりそれまでロックにふれてこなかった人も巻き込んで一大ムーブメントを生んだ聖地。今日、僕達はそんな由緒ある場所で大好きなロックを200%の力で皆さんにお伝えしたいと思います」そんな言葉を裏打ちするかのように「ROCK ME BABY」を演奏。途中で巨大なミラーボールの演出もあり会場は完全にディスコ状態に。
このバンドの特筆すべき点は、音楽というものは耳ではなく体全身で体感するものだと教えてくれることだ。全曲が最高のアクトとも言える、演奏を終えて袖に戻るメンバーたち。勿論、すぐにアンコールの拍手は鳴りやまない。