郁恵ちゃんが、頭の上を飛んだ。
わたしの母は、子育てに熱心な、きちんとした人であったから、小さい頃から、アチコチにわたしを連れて行ってくれた。
子どもを持ってみると、母がいかにわたしに心を砕いていたかがわかる。
「子どもは働く親の背中を見て育つべし」「働く親を手伝うべし」
などと威張っているわたしとは真逆である。
悲しいかな。
わたしは、おばあちゃんとコタツにぬくぬくと入って、本だとかパズルをすることが大好きな子供だったから、色々な経験をさせようとしてくれる母が嫌だった。でも、このミュージカルは面白かった。
郁恵ちゃんが、歌いながら、頭の上を何度も何度も飛ぶのだ。
医者の最終目標は、ピーターパン。
いやはや不老不死なのか。
「ブログやめようと思うんだー」
昨日、仕事仲間三人でミーティングをしていたときに言った。
だいたいが、わたしのブログは気が向いたときに思っていることを書いているだけ。ほとんど情報を与えていない。「引き際の美学」を思うのだ。
新宿皮膚科を退職したのに、同じブログを続けることに抵抗を感じるのだ。
「ブログは大事だよ、しのちゃん。
例えば、しのちゃんが阪神ファンだとするじゃない?それを読んだ患者さんが阪神ファンだったら、共通点が見つかって、安心してかかれるでしょ?しのちゃんのキャラクターを知ることは、患者さんにとってメリットがあるんだよ。
しのちゃんの患者さん、原付バイク好きかもしれないし。」
母に連れていかれたミュージカル。
忘れられないもう一つは、レミゼラブル。
ノーメイクの汚れた顔、汚い服を着、ガリガリに痩せた本田美奈子。急逝してしまった。
息が止まって、胸が震えた。
釘づけになる、大声量の歌。
耳を澄ます、誰もしゃべらないで。
透き通るその歌声を、キキモラシタクナイ。
結局は、こういうことなのだ。
生きられない命を思うとき、
生きているのが当たり前なんて思えない
しかし、大事な人たちを置いて、
しかし、大事な人たちを置いて、
ネバーランドでひとり生かされても困るのだ。
ウェンディと一緒にいなければ、
意味がない。
happy aging, happy ending
豊かな人生を生き切る。
※ All About 美と健康のガイド