【中】日本の問題は政府債務ではなく家計資産~専門知識の基礎 2013/12/21(土)号~ | 新宿会計士の政治経済評論 -> https://shinjukuacc.com

【中】日本の問題は政府債務ではなく家計資産~専門知識の基礎 2013/12/21(土)号~

▼政府債務の伸びは鈍化▼

一方、政府の債務の額(とりわけ債券の発行残高や借入金額)も巨額です。しかし、繰り返しになりますが、政府が負っている債務の大部分は円建てのものであり、政府の負債総額は家計の資産総額を遥かに下回る、という点については忘れてはなりません。

<一般政府>(金額単位:億円)

債券・株式等

2,184,261

債券

9,411,449

その他

2,950,931

借入金

1,584,616

債務超過額

6,214,378

その他

353,505

合計

11,349,570

合計

11,349,570

「一般政府」(この場合は中央政府と地方政府を含める)が発行している債券(株式以外の証券)の残高は941兆円、銀行等からの借入金残高は158兆円となっており、あわせると1,000兆円を優に超過しています。ただ、政府部門には売却できる債券や株式等が資産の部に上がっており、実質的な債務超過額は621兆円と、GDPの1.2倍程度に過ぎません。これに加え、政府が保有する莫大な土地・建物・知的財産権・美術品などの財産は、「金融資産」ではないため、上記バランスシートには計上されていません。

国の借金が多すぎる」という議論は、10月の消費税率引き上げと税収の大幅な上振れによって、一年前と比べると鳴りを潜めているかの感がありますが、それでも日本の借金が莫大だと述べる人は、日本全体のバランスシートを見ていません。まさに「木を見て森を見ず」、です。

(中途半端ですが、Ameblo側で容量の都合で弾かれたため、本日は3回に分けてアップロードします。)