えびすたろう様とモーニングコーヒー飲んだ家紋は、その後えびす様に最寄りのICまでお送り頂いて、高速道路のヒトとなった。
高速道路のヒトになったのがおおよそ11時くらいだったろうか。
家紋は、と言うか九七式ホーネットは如何に超高回転型エンジンを積むといえども排気量は250ccなので、やっぱ高速道路は苦手なのだ(*´Д`*)
100km/h走ってるぶんにはイイのだが、追い越しとか追い越しとか追い越しとかがな。
キツイのだ(*´Д`*)
でもな。
気のせいかも知れんが、東京から名古屋方面に向かって下り線を走ってるとだな。
何気に道が全般的に物理的に下り勾配な気がするんだよな。100km/hからの加速が意外に伸びるのだ。
気のせいかも知れんし、ひょっとしたら今回のツーリングでカーボン飛んでホントに調子が良くなったのかも知れん。ロマンティックに表現するなら、丸三日も逢ってない嫁さんとムスメちゃんに一刻も早く逢いたくて、ココロに生えた翼が家紋を前へ前へと押し出していたのかも知れん。
色々と知れんモノもあるが、世の中には人間の計り知れぬコトもあるので、家紋は其処ら辺には深く立ち入らぬ様にして、単純に「おお今日は調子いいなあ」と思う様にした。
思う様にしたが、「気のせいかも知れん」ぐらいならイイのだが、ひょっとして「ロウソクは消える直前に大きく輝く」みたいな話かも知れんからな。高速道路走っててそんなコトになったら家紋のイノチも風前の灯火なので、結構小まめに休憩しながら家路をあまり急がずに程々に急いだのだ。
平日のガランとしたPAの、コレまたガランとした二輪車スペースにバイクを停めて、コーヒー飲みながらボーッと見ててふと思った。
家紋の九七式ホーネットは既に二十一年選手で、毎日乗って、小まめに手入れしてるとはいえ、新車当時のパフォーマンスは失われて久しい。あちこちヤれて気になる処も増えてきた。
(実際に、コイツはあとどれだけ頑張れるんだろうか?)
機械なので交換できる限りは、部品を交換していけばまだまだイケるだろう。
フレームがブチ折れたりしたらアレだが、中古のフレーム引っ張ってきてコッソリ交換しちゃうコトも、おそらく今の家紋ならやって出来ないことはない。フレームNoの問題とかはあるがな。
が、現実問題として其処までカネかけるなら新しいバイク買った方が良いわけで、「そのバランスする辺り」が、九七式の寿命、というコトなのだろう。
とか考えつつ、だいぶ遅めの昼メシを喰った。
なんかデッカいノボリが立ってる店だったが、名前は忘れた。
関東のデカ盛り店や、憧れの田中で享楽の限りを尽くした家紋にとって、今更そこいらのラーメンがなんだと言うのかって感じだった。
むしろ(お前コレでセンエン取るのか?)って思っちゃったな。
食い終わって九七式のトコに戻ったら、PAの工事のヒト達が2、3人立ってて、「コレ、ナンシーシーナノ?」って聞いてきた。
この手の話は結構聞くし、家紋も何回か聞かれたコトもある。
特にホーネットは排気量の割に車格が大きく、リアタイヤが太いので「コレは小ちゃいです、250ccなんですよ」とか、我ながら排気量至上主義的で微妙にコンプレックスを感じさせる説明をしたりして、早々に話を切り上げて立ち去るのだが今回は違った。
「コレは250ccです。実は先週の土曜日から東三河から能登半島まで縦断した後で、関東6県を巡ってきて今から帰る処です。丁度1500kmくらい走った処ですが、まだまだイケます」とか、
「千里浜って言う砂浜を走れるトコがあるんですが、走ってて気持ちよかったですよ」とか、
「白川郷を見てきましたが、観光地っぽくなっちゃってて、むしろその先の鄙びた村落の方が雰囲気ありましたね」とか。
鼻の穴広げられるだけ広げて話してたら、工事のヒト達はいつの間にか離れていった。
自分達から話しかけたんだから、責任持って最後まで俺の話を聞くのが礼儀だと思うのだが、全く失礼しちゃうわよね(*´Д`*)
離れていっちゃう前に、工事のヒト達は「え?250ccか?これ、大きいな」とか言ってたのだが、今までの家紋なら「ええ、まあ」とか言いながら、心の中では「まあ、見た目だけですけどね」とか呟いていたのだが、コトここに至って家紋は開眼したのだ。
排気量の大小を気にするよりも、持てる機材で今何が出来るのか? 何と出逢うのか?が問題なのだ。価値があるのはピストンの大きさではなく、その力で何を成し得たのか、なのだ。
最終日はのんびりと走って、暗くなる前には家に帰り着いた。
家紋は嫁さんに「ただいま」を言って、「送り出してくれてありがとう。すごく楽しかったです。」と伝えた。
嫁さんは、オレが居ない間にあった事をいっぱい話してくれた。
話しても話しても、話は尽きず、話しながら淹れてくれたコーヒーを飲みながら、ウンウン頷いていたら今度はムスメちゃんが帰ってきて、運動会で徒競走を頑張ったコトと、スタンツと云う組み体操をやりきった事。騎馬戦で最後まで勝ち残った事と白組が勝ったことを一生懸命話してくれた。
家紋はそれを聞きながら、長かった旅で出逢ったことと起きた事、出逢えた方との思い出を、さて何処から話したものか、と考えつつウンウン頷いてた。
嫁さんとムスメちゃんは交互に喋り続けて、話が尽きる様子はない。
家紋が彼女達に旅の報告をするのは、暫く先の事になりそうだ。
以上。
解散。
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